三十九枚目
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そうと思う」
掌に駒を顕現させる。
龍を象った駒で、その色は赤でなく緑。
カンヘルの力によって強制的に変異した駒。
「うーん…取り敢えずポーンでいっか」
ポーンの駒を三つだけ残し、残りを異空間に放り込む。
「ねぇ、篝」
「どうしたー?」
「私は篝のクイーンには足りないの?」
ん? クイーン?
「え? 何? どういう事?」
「篝がイーヴィルピースを使えるようになってから4日経つけどさ。篝は私にクイーンになってくれって言ってくれないんだね」
「なんで? クイーンなりたいの?」
「篝は嫌?」
「うん。俺はヴァーリを縛り付けたくないんだ。
ヴァーリはきっと強くなる。強い仲間だってできる。
その時に邪魔になるのは俺が嫌だからさ」
ヴァーリは俺になついてくれている。
ずっと一緒に過ごしてきた。
ヴァーリは、俺にとって妹のような存在だ。
でも…
「ヴァーリ。そろそろ兄離れした方がいいんじゃないか?
俺は男でお前は女だ。いつまでもこうとはいかん」
「ふーん…」
ヴァーリが凄く悲しそうな顔をする。
俺だってヴァーリとは一緒に居たいさ。
でもそうはいかない。
「ねぇ、篝」
「なんだ」
「面倒な事は置いといてさ、篝は私といたいんでしょ?
『こうとはいかん』って、篝も今のまま、こうありたいって事でしょ?」
「ああ、そうだよ」
「じゃぁそれでいいじゃん」
「いや…その…ね?」
ぶっちゃけるとヴァーリが超絶美人になってから近くに居るのが気まずい。
うん。あーだこーだ言ってる自覚はある。
「篝」
「なに?」
「私ごちゃごちゃ言っていつまでもくっつかない漫画とか大嫌いなの。
ほら、篝の持ってる小説のヒロインもそんな事言ってたじゃん」
ダメだこりゃ。梃子でも動かん。
「はぁ…。わかったわかった。俺のクイーンはお前にするよ」
「…………はぁ」
ため息つかれた。なんで?
カツカツとヴァーリが歩いてくる。
「ねぇ? 篝ってバカなの?」
「えぇ…?」
目の前でピタリと止まった。
俺より数十センチ高いその身長をぐっと屈めた。
ぎゅぅっとだきしめられた。
「篝。好きだよ。愛してる」
ん━━━━━━━━━━━…………………?
「私は篝が好き。篝を守りたい。篝に守って欲しい。篝のために戦いたい。篝の隣で戦いたい。篝に全てを捧げたい。篝の全てが欲しい」
耳元で囁かれた。
「ごめんちょっと待って。思考が追い付かない」
「ねぇ、ここまで私を落としといて放置なの? また新しい女の子を落とすの? 無自覚なの? ジ
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