三十八枚目
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「すごいわ! 時代劇みたいよ! 見てみてSAMURAIよ!」
「あー。うん。ちょっと落ち着こうねリーアちゃん」
今にも飛び出しそうなリーアちゃんの後ろ襟を掴んで止める。
「はぐれたら面倒だから、取り敢えず全員に羽を渡しとこうと思う」
リーアちゃん、ヴァーリ、白音、黒歌、九重、姉さん、ジュスヘルに羽を渡す。
「なんで? みんな一緒に動くんじゃないの?」
まぁ、そうなんだけどね。
九重、白音、黒歌、ジュスヘルの四人は羽を懐に入れた。
四人は着物だ。
「じゃ、先ずは衣装借りに行こっか」
衣装一覧を見ながらリーアちゃんがかなり悩んでいた。
「どうしたの?」
「カツラつけた方がいいかしら…」
「んー…。リーアちゃんの髪綺麗だし着けない方が映えると思うよ?」
「そう? うふふ…。じゃぁこれにするわ」
リーアちゃんが衣装を選んで受付の人に伝えた。
「篝ー。篝は着替えないの?」
「ん? どうしようかなー…」
振り向いた先には振袖若衆の格好のヴァーリがいた。
「ばか野郎。真剣差すな。レプリカに取り替えてこい」
その腰の刀はいつぞやアザゼルがヴァーリに買ってやった物だ。
「えー! いいじゃんいいじゃん! せっかく出したんだから!」
ぷぅ、って頬を膨らませている。
「はぁ…しょうがないか…ん?」
ヴァーリの背後を見ると、白音と黒歌も着替えていた。
忍者だ。
「ふふん。これで少年を誘惑するにゃん!」
俺の両隣に黒歌と白音が抱きつく。
ちょっと君達? なにしてんの?
「可愛い猫に囲まれてご機嫌だね。篝」
「ん?うん」
悪い気はしない。俺も男だし。
「じゃぁ篝の衣装は殿様で決定だな。美人クノイチを侍らせるわるーいお殿様だ」
いつの間にかジュスヘルが後ろに居て、あれよあれよという間に着替えさせられた。
少ししてリーアちゃんも出てきた。
「ねぇねぇ篝! どう? 似合ってる?」
「うーん……なんかなぁ…」
「似合ってない?」
似合ってない。着物の赤がリーアちゃんの紅い髪に負けている。
「着物がリーアちゃんに負けてる気がする。
リーアちゃんが着物を着るならもう少しちゃんとしたの着た方がいいかも」
「そ、そう?」
「うん。ま、でも今日くらいは着物に慣れるって事でいいんじゃない?」
サーゼクス辺りに言ってみようか。
俺も見てみたいしな。
「とっところで朱乃はどうしたの?」
「あっちで九重をモフッてる」
九重は姉さんの膝の上でふにゃっとしてた。
姉さん撫でるの上手いもんなー。
つか姉さんいつ
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