ターン2 魔界の劇団、開演
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と使い勝手のいい種族属性からフィールドへの展開を必要とするモンスターの素材や各種コスト要因として単体採用される可能性があるからだ。カイザーコロシアムの効果が効いている現状、ここで究極伝導恐獣の効果を使えば大きくこの先の動きを制限できる可能性は確かにある。
しかし、と兜はここで、目の前の青年の顔を密かに覗き見た。彼もまた、こちらの究極伝導恐獣の効果は知っている。もし彼のデッキがアドバンス召喚主体のものであり、あのエキストラがリリース要因としての採用であったとすればどうか。あれを裏守備にしたところでリリースとしての価値は何ら損なわれず、例えばアドバンス召喚時にカード1枚を除外する効果を持った邪帝ガイウスなど出されようものならもう目も当てられないありさまとなる。では、彼のデッキが【魔界劇団】であったと仮定した場合はどうだろうか。エキストラはそのモンスター効果からテーマ内の潤滑油となり、あれを放置していれば突破できるかどうかは別としてそれなりにデッキが回ることを覚悟する必要がある。その場合、ここで動きを制限すれば大きく優位に立つことができるだろう。
迷った末に意を決し、すっと片手をあげた。
「すまないね。その特殊召喚成功時、私は究極伝導恐獣の効果を使用する。手札のダイナレスラー・パンクラトプスを破壊することで、エキストラには裏側守備表示となってもらう」
「……」
手札のパンクラトプスを墓地に送ると、了承の証に頷き無言でエキストラを裏側にひっくり返す鳥居。この行為が吉と出るか凶と出るか、固唾をのんで見守る兜の視線を感じながら……手札の1枚、ある魔法カードを場に出した。
「『おやおや、なんということでしょう。私の大切な演者の1人が、舞台に上がることを拒否してしまいました。ですが、果たしてそれは真実の全てでしょうか?否、私の紡ぐ演目は、そう単純なものではございません。魔法カード発動、ミニマム・ガッツ!』」
「そのカードは!」
「『その通り。ミニマム・ガッツはモンスター1体をリリースすることで発動し、相手モンスターの攻撃力をこのターンのみ0とします。恐るべき究極伝導恐獣の迫力に1度は舞台を降りたかに見えたエキストラ、しかしその裏では静かながらも着実な、第2幕への布石が張られていたのです』」
究極伝導恐獣 攻3500→0
エキストラを表にし、エクストラデッキの上に置く。これこそが、鳥居が最も得意とするペンデュラムカードの最大の特性。だが、今回それが役に立つことはないだろう。
「『レフトPゾーンには我らが誇る世界の歌姫、スケール0の魔界劇団−メロー・マドンナを。対となるライトPゾーンには、誰もを笑わす最高の喜術師、スケール8の魔界劇団−ファンキー・コメディアンをセッティング』」
ここで1度言葉を切
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