ターン2 魔界の劇団、開演
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「では、始めようか」
「「デュエル」」
通常このタイミングで挟まるデュエルディスクによるランダムな先攻後攻の振り分け機能、そんなものも当然存在しない。兜の表情をうかがうと、少し思案したのち口を開いた。
「すまないが、私が先攻を取らせてもらおう。一応これは君のテストだから、私がまず盤面を作らせてもらう」
「妥当ですね」
「では、私のターン。スタンバイ、そしてメインフェイズに移行し召喚僧サモンプリーストを召喚、効果発動。このカードは場に出た時、守備表示となる」
召喚僧サモンプリースト 攻800→守1600
1枚のカードを選んだ兜がそれをまず机の中央に縦向きで置き、鳥居の反応を確かめてから改めて横向きに直す。
「そして何もなければ、サモンプリーストの効果を発動しよう。コストとして手札の魔法カード1枚を捨て、デッキからレベル4のモンスターを1体特殊召喚する。私が選ぶ手札のカードは、通常魔法の究極進化薬だ。何かあるかい?」
「いえ、通しますよ」
「ではデッキから、終末の騎士を特殊召喚する。終末の騎士の特殊召喚成功時、私はデッキから闇属性モンスター1体を墓地に送ることができる。この効果には?」
「どうぞ」
終末の騎士 攻1400
サモンプリーストの隣に縦向きで置かれた、終末の騎士のカード。再び効果の発動に対し問いかける兜の問いに対し鳥居が首を横に振ると、ほっとしたように再びデッキに手をつける。
「ではこのカード、オーバーテクス・ゴアトルスを墓地に。そして効果によって墓地に送られたこのカードの効果により、デッキから進化薬カード1枚をサーチしたいのだが」
「当然、それも通しますよ」
この方式ではデュエルディスクによる補助が一切存在しないために1枚ごとにルールとして、そして何よりもマナーとして相手にチェーンの伺いを立てなければならない。これを面倒と捉える人もいれば、ルールとマナーにより支えられた大人の競技として考える人もいる。鳥居自身はどちらかといえば後者よりであり、彼の上司は疑いようもなく前者だった。そういう意味では結果論だが、こちらに潜入するのが彼だったのは僥倖といえる。
「では、2枚目の究極進化薬を手札に。そしてこのモンスター2体を素材として、私から見て右側のエクストラモンスターゾーンに、魔界の警邏課 デスポリスをリンク召喚する」
横に並んだ2枚のカードを手に取り、右端に置かれたゴアトルスの上にその2枚を重ねる。代わりに兜が取り出したのはデッキの反対側、つまり左下に置かれた15枚のカードの束の中の1枚である青い縁取りのカードだった。イラストの周囲に描かれた8方向の矢印のうち、左下と右下の2か所がオレンジ色に塗られている。
魔界の警邏課 デスポリス
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