機動戦士ガンダム
2288話
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クレイドルに幾つも存在する宇宙港。
ホワイトベースが入港したのは、そんな宇宙港の中でもあまり目立たない場所にある場所だった。
いやまぁ、ホワイトベースが連邦軍の機密である事や、ジオン軍に……それも赤い彗星のシャアに狙われているという事を考えれば、寧ろそれは当然の行為なのだが。
それこそ、人目に付く場所に大々的に入港させようものなら、後々色々と面倒が起きる可能性が多かった。
「これが、クレイドル……コロニーの宇宙港や、月面都市の宇宙港と比べても色々と違うな」
しみじみと呟くブライトの言葉は、ある意味で当然の事だだろう。
そもそも、このクレイドルはマクロス世界で建造された代物だ。
であれば、当然のように宇宙港もこのUC世界とは色々と違っていてもおかしくはない。
とはいえ、クレイドルをこの世界で使うという事で色々と改修したりした時に、UC世界の宇宙港としても使えるようにしてはいるのだが、それでもベースになる技術設計とかが違う以上、当然のように受ける印象はUC世界の宇宙港と違ってくる。
「そうだな。このクレイドルは元々他の世界で作られた物だから、それが関係してるんだろ。……それより、これからお前達はクレイドルにいる間はかなり不自由な生活を強いられる事になると思う。けど、それで暴発するような真似をすれば、最悪の結果を迎える事になるだろうから、注意しろよ」
「分かっている。そういう意味では、一番暴発しやすい避難民をクレイドルで引き受けてくれた事には感謝してるよ」
「あー、まぁ、避難民とかは自分が生き延びるので精一杯で、他人の事を考えていられるような余裕がない奴も多いからな。食料とかが豊富だったから、そういう事はなかったけど……もしかしたら、ホワイトベースの中で避難民による反乱とかが起きていた可能性もあるかもな」
「ははは。まさか」
ブライトと俺の話を聞いていたリードがそう笑うが、それは今だからこそ、実際に反乱が起きていない今だからこそ、笑っていられると思うんだが。
いや、この場合は反乱じゃなくて暴動って表現の方が正しいのか?
そんな風に思っていると、ブリッジの映像モニタが表示され、俺も見た事のない女が映し出される。……量産型Wが出てくると思っていたんだが。
とはいえ、これは別にそこまでおかしな事ではない。
ルナ・ジオン軍には大勢雇われているのだから、量産型Wが必要ない場所は当然のように他の面々で仕事をするといった事になるのだから。
『……!? そ、その……そちら、ホワイトベースで間違いないですね?』
「はい」
映像モニタに映った人物は、俺の姿を見て息を呑んだが、次の瞬間には落ち着いた様子でブライトにそう尋ねる。
10代半ばの俺の姿を知ってる奴はそう多くないと思うんだが。
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