第42話:優しさのデジメンタル
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ミサイルとプラズマ弾を受けたマミーモンとアルケニモンは放物線を描いて吹き飛び、ヴァーミリモンと残りのスナイモンは瞬く間に消滅したのであった。
「どうも、ありがとうございました」
「え?」
いきなり礼を言われた賢は目を見開く。
「今回大きな借りを作ってしまいました。いつか必ず返させて頂きます」
「え?借り?何のことだい?」
「ほら、あの時…私と伊織を助けた時のことを言ってるのよ賢君…」
「あ、そうなんですか…別に気にしなくてもいいのに…」
京に説明されて気にしなくていいと言うが…。
「駄目です。いつか必ず、お返しします」
「…分かった」
そして今日は現実世界に戻ることにした大輔達。
伊織は祖父と向かい合い(チューチューゼリー片手に)、人生の先輩である祖父に尋ねてみることにした。
「お祖父様…相談があるんですけどいいでしょうか?」
「おお、伊織。何じゃ?わしに答えられるなら何でも答えてやるぞ」
伊織の真剣な表情に祖父の主税もまた表情を引き締めた。
「僕の知っている人に…内容は言えませんが、悪いことをしてしまった人がいるんです。今、そのことを償っている最中なんですが、僕はその人のことを絶対に許さないと思ってました…でも…」
「………」
主税は黙って孫の次の言葉を待つ。
「大輔さんやみんながその人を仲間として受け入れていくのを見て、絶対に許さないと思っていたその人に助けられて…僕はどうすればいいのか分からなくなってしまいました…。」
主税は孫の悩みに気付くと笑みを浮かべながら口を開いた。
「確かに悪事は許されぬことじゃ」
主税の言葉に伊織は顔を上げた。
「お主の真っ直ぐな性格もあってその者を余計に許せない気持ちは分かる。じゃがな伊織…その者は自身のしたことを心底悔いて償っている最中なのじゃろう?世の中には“罪を憎んで人を憎まず”と言う諺もある。感情のままにその者の償いたいと思う気持ちやその者の行動まで否定してはいかん…」
「お祖父様…」
その言葉に伊織は思わず俯いてしまった。
「人が罪を犯すのは、そのような結果になってしまうまでに、それなりの事情があったりもする。お主はまず、そこから学ばねばならんな…大丈夫じゃ、お主はわしの孫で浩樹の息子なのじゃからな」
「…はい!!」
「では…」
主税は美しい輝きを放つ月を見上げながら月見チューチューゼリーを楽しむのであった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ