第41話:親密となる方法
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してフルーツバウンド作りに励むことにして大輔とヒカリの手を借りることにした。
「お前は良い奴を好きになったよ京」
「うっさい」
赤面しながら言う京だが、満更ではなさそうだ。
それを見ていた伊織は少しだけ怖かった。
かつて賢が犯した過ちを、みんなが早くに忘れてしまう気がして。
そして京が賢に好意を抱き始めたことにも怒りを感じ始めた。
「(みんなはあの人がしたことを忘れたんですか…?)」
何時の間にかみんなが賢を仲間として受け入れており、タケルすら賢を受け入れてしまっていた。
「明日俺の家に来いよ。」
「分かった。ありがとう」
大輔達が別れたのを見て伊織はすぐに隠れると京がいなくなったのを見て、大輔が声をかけた。
「伊織、盗み聞きは感心しないぜ?」
「………」
大輔の声に伊織はゆっくりと出て来て何か言いたげな伊織に大輔もヒカリも苦笑している。
「あの、大輔さんとヒカリさんがお付き合いしてるのは本当なんですか?」
「ん…まあな」
「うん、そうだけど?」
少し照れ臭そうにしながら肯定する大輔とヒカリ。
「でも…こういう言い方は失礼かもしれませんが、ヒカリさんは大輔さんよりもタケルさんと仲が良かったじゃないですか?たった1年の冒険で簡単に…」
「伊織君からすればたった1年でも…私達からすれば色々気付かされる1年だったの…大輔君のこととか、賢君のこととかね」
ヒカリの口から賢の名前が出た瞬間、伊織の表情が変わる。
「どうして京さんを一乗寺賢の所へ行かせようとするんですか?」
「何ってあいつの力になってやろうとしているだけさ」
「京さんに何かあったらどうするんですか!!」
「何かあったらって…お前はまだ賢を疑ってんのか?あいつの行動を自分の目で見てもまだ信じらんねえのか?」
「当たり前です!僕はあいつを信じられない!!大輔さんもヒカリさんもどうして、あいつの事を信用出来るんですか?忘れちゃったんですか、あいつのやったことを!!」
「忘れてねえさ、でもあいつは俺とヒカリちゃんからすれば1年間苦楽を一緒にした仲間なんだよ。」
「自分のしたことも忘れて笑っているような人が仲間なんですか!?」
「それはどういう意味だ…」
それを聞いた大輔の声が低くなったが、伊織は怒りでそのことに気付かない。
「だってそうでしょう!?あんなことをして笑っているなんて、罪の意識がないに決まってます!!僕は大輔さん達のように過去に敵だった人とすぐに打ち解けられませんし、あの人も大輔さん達と比べて僕とあまり話そうとしない。僕があいつを信用していないのと同じように、あいつも僕達の中で一番僕を信用していないに決まっています
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