第三十八幕:架け離れゆく虹
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た寝していたにも関わらず、脱力感は残ったままだ。凪咲さんが準備してくれたと思うお布団にもぐり込む。
時崎「七夏ちゃん・・・ごめん」
七夏ちゃんは、俺よりも辛い想いをしているに違いない。その理由が俺にあるのだから、謝る気持ちしか出てこない。だけど、それって、七夏ちゃんが喜ぶ事なのか?
<<時崎「明日からは『今まで通り、いつもの天美さんになる事!』」>>
天美さんに、こんな事を話しておいて、俺は・・・。
時崎「他人の事って簡単に言えるんだよな」
・・・違う、七夏ちゃんは他人−−−
時崎「・・・・・」
急に心が締め付けられた。今の感覚・・・俺は、七夏ちゃんを「他人」だと思っていないという事だ! 頭で考えるよりも心で考えた方が良いのかも知れない。少しずつでいい。少しずつ、七夏ちゃんと・・・。
時崎「七夏ちゃん、おやすみ」
心に従うと、幾分、安らかな気持ちになった。安らかな気持ちは、次第に冷静な判断ができるように変化する。
時崎「距離を置く・・・か」
七夏ちゃんの家、民宿風水にお世話になりっぱなしだ。この街に来た時に宿泊した駅前の宿の事を思い出す。俺は民宿風水を発とうと思い始めていた。明日、凪咲さんに相談してみようと考えると、落ち着きを取り戻した心が、また揺れ始めるのだった。
第三十八幕 完
−−−−−−−−−−
次回予告
距離を置く事で見えてくる事がある。しかし、そうして出来た隙間は不安定で、何かで埋めようとしてしまう。
次回、翠碧色の虹、第三十九幕
「すれ違いの虹」
俺は、あまりにも突然の想いを知り、心を大きく揺さぶられる事になる。
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