第三十八幕:架け離れゆく虹
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と違うのは雨が降っているという事。今日も午後から、七夏ちゃんとお出掛けできればいいなと思いながらも、それは難しいかも知れない。その分、アルバム制作は進められるはずだ。俺は、制作に集中した。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
トントンと扉がなる。
時崎「七夏ちゃん?」
凪咲「柚樹君」
時崎「凪咲さん!」
少し急ぎ気味に扉を開ける。
凪咲「ごめんなさい。そんなに慌てなくても」
時崎「すみません」
凪咲「昼食、出来てますから」
時崎「え!?」
凪咲「七夏も、柚樹君もなかなか降りてこないから・・・」
・・・時計を見る。思っていたよりも1時間以上経過していた。
時崎「すみません・・・なんか今日は、いつもよりも時間の感覚が・・・」
凪咲「そんな日もあると思います」
時崎「七夏ちゃんは?」
凪咲「今日は少し宿題に時間が掛かってるみたいね」
時崎「そうですか。俺、何か手伝えないかな?」
凪咲「ありがとう、柚樹君。七夏が困ってたら、お願いできるかしら?」
時崎「はい」
七夏「お母さん、あ、柚樹さん」
七夏ちゃんが姿を見せた。
時崎「七夏ちゃん、宿題どう?」
七夏「えっと、少し困ってて」
時崎「俺でよければ、手伝うよ!」
七夏「え!? いいの?」
時崎「分かる範囲でなら」
七夏「ありがとです☆」
凪咲「七夏」
七夏「あ、答えだけ聞かないようにします」
凪咲「そうではなくて、お昼、まだでしょ?」
七夏「え!? あ、もうお昼の時間になってるの?」
どうやら、時間の感覚がいつもと違うのは俺だけではなかったようだ。ちょっと嬉しい。
七夏「? どしたの? 柚樹さん?」
時崎「いや、なんでも。七夏ちゃん! お昼一緒に!」
七夏「はい☆」
いつもと同じ・・・そんな事はなく、いつもと同じようでも、少しずつ変化はある。七夏ちゃんと、これからも「いつもと違ういつも」を大切に過ごしたいと思った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
昼食を頂き、七夏ちゃんの宿題を手伝っている。英語が苦手だという事は何となくわかっていたけど−−−
七夏「えっと・・・」
時崎「英語は答えを言う事になってしまうけど・・・」
七夏「答えを、もっと自然になるように工夫する方法で・・・」
時崎「自然に!?」
七夏「はい。よくここちゃーに言われます」
時崎「天美さん?」
七夏「私の英語は不自然だって」
時崎「不自然・・・それって直訳してるって事?」
七夏「そう・・・だと思います。でも私、訳すだけでも大変で」
時崎「まあ、最初は正しく伝える事ができてたらいいと思うよ」
七夏「単語もなかなか覚えられなくて」
時崎「単語は地道に覚えるしかないかな」
七夏「やっぱり、そうですよね」
時崎
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