第三十八幕:架け離れゆく虹
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付かされたのは−−−
時崎「雨・・・」
雨の音に目覚める。そう言えば、昨日から雨は降ったままのようだ。雷が呼ぶ雨は一時的な事が多いけど、今回は違うようだ。
時崎「起きる・・・か」
昨日と同じように、窓の外を眺める。街の景色はまだ薄暗く、遠くの街灯の灯りを眺めると、雨が降っている事を音だけではなく目でも確認できた。
時崎「ん? あれは、直弥さん?」
窓越しから、広がった大きな傘が目に留まる。今日はいつもよりも早い出勤なのかな?」
時崎「いってらっしゃい」
そうつぶやきながら、小さくなってゆく傘をぼーっと見送っていると、扉から音がした。
七夏「柚樹さん、起きてますか?」
時崎「七夏ちゃん?」
扉へ向かい、開ける。
七夏「あ、おはようです☆」
時崎「おはよう! 七夏ちゃん!」
七夏「柚樹さん、起きてました☆」
時崎「え!?」
七夏「くすっ☆ 今日は、お寝坊さんなのかなって」
時崎「???」
時計を見ると、思ってたよりも1時間くらい時間が経過していた。
時崎「え!? もうこんな時間なの?」
七夏「あ、今日は雨で、お外がまだ暗いですから」
時崎「そういう事か。ごめん」
七夏「くすっ☆ 朝食、出来てますから☆」
時崎「ありがとう、七夏ちゃん」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
凪咲「おはようございます。柚樹君」
時崎「凪咲さん、おはようございます」
凪咲「雨、よく降ってるわね」
時崎「はい」
凪咲「あら? お外へ出掛けるのかしら?」
時崎「いえ、ちょっと、雨の風景も撮影しておこうかなと思って」
七夏「柚樹さん、私、お手伝いできる事ってあるかな?」
時崎「七夏ちゃん、ありがとう。どちらかって言うと、七夏ちゃんにはモデルさんになってもらいたいかな?」
七夏「え!?」
時崎「傘を差してる七夏ちゃんを、お願いしてもいいかな?」
七夏「はい☆」
凪咲「〜♪」
民宿風水の玄関先で背に傘を差す七夏ちゃんを何枚か撮影する。俺も傘を差しながらの撮影の為、思ったよりも難しい・・・光の量が少なく、手振れが発生しないようにする事に意識を集中する。
七夏「柚樹さん、大丈夫ですか?」
七夏ちゃんが気にかけてくれる。あまり長時間にならないように、手短に済ませる。
時崎「ありがとう! 七夏ちゃん!」
七夏「はい☆」
時崎「突然のお願いでごめんね」
七夏「いえ、お母さんも喜んでくれてます☆」
時崎「ありがとう、いいアルバムを作れるように頑張るよ!」
七夏「はい☆ では、朝食に・・・です☆」
時崎「ああ! 一緒に!」
七夏「くすっ☆」
朝食を頂いた後は、昨日と同じように、七夏ちゃんは宿題、俺はアルバムという、いつものここでの流れだ。昨日
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