ある学校の階段の怪談
Part.1
[8/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
内に入る方法はないでヤンスか?」
ご安心を、ありますよ。
《鍵開け》せずとも鍵は簡単な物ですからガラスを割って手を突っ込めばすぐに開錠できます。というか扉自体も老朽化していますので、近くに落ちているなにかで壊すこともできますよ。
「そうでヤンスか……それじゃあ早速ガラスを割るところでヤンスが」
「まぁその気になるよな。ゲーム開始前のGMの忠告がさ」
「くれぐれも悪い行動をしないように、だったよね。この学校が風紀に五月蠅い学校だったことも言ってたし、なんか抵抗感じるよね。窓ガラスを割るとか、扉を壊すとか」
「GM、ここ以外に入口はないのかしら? 確かこの校舎の窓ガラス、割れているのよね?」
割れてはいますがとても人が入れるような大きさではありません。裏口の鍵はかかっているので結局入ることは出来ません。この玄関から入るのが一番でしょう。
で、どうしますか? 壊しますか? 壊しませんか? 壊すのなら誰がどう壊すのですか?
「……小生は壊さないでヤンスよ」
「私も壊さないわ」
「《STR》3の自分に壊せるとでも?」
「勿論私も壊さないわよ。肝試しっていったって、法に触れるようなことをみんなにさせないためについてきたんだから」
入ったらその時点で不法侵入なんですけどね。では誰も壊さないんですね? ならば……田中に壊してもらいましょう。
いつまで経っても扉を壊そうとしないあなたたちを見て待ちきれなくなった田中は近くにあった石を拾ってガラスを割り、そこから手を突っ込んで鍵を開けました。
「あ、そういえばいたでヤンスね、田中氏」
「おめーらなにぼさっと突っ立ってんだよ。ほら、中に入ろうぜ」
そう言って田中は持っていた石を放り投げて校舎内へ入っていきます。
「……とりあえず入るでヤンスか。田中氏だけを行かせるわけにもいかないでヤンスし、みんなもそれでいいでヤンスか?」
「ええ。それでいいわ」
「友達を放って逃げるなんて自分はそんなことはしないぞ。入るよ」
「あんまり荒らしちゃダメだよと言いつつ入るわ」
了解しました。ではあなたたちが玄関から校舎内へ入って少し広い昇降口に集まります。ここでこの肝試しの言い出しっぺである田中が肝試しのルールを提案してきます。
「ルールは1人ずつ、屋上にあるらしい『死を招く彫刻』に自分の名前を刻んで戻ってくる。ただそれだけだと簡単すぎるから、途中でどこかの教室に寄り道してなにか1つを盗んでくること。以上だ」
「盗む……ですって?」
「怖い目で見るなよ毛利、言葉の綾だって。まさか本気で持ち出すわけじゃねえよ。終わったらもとにあった場所に戻すさ」
「……ならいいけど」
「じゃあ俺から先に行
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ