暁 〜小説投稿サイト〜
Cloud and Sunlight〜雲と太陽と〜
プロローグ:馬鹿〜とある密林にて〜
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ールグリーン!」
「危なかったぜ、あと5分遅れてたらと思うと、ぞっとしねえな。」
一息つく。足跡は一人分だったため、これで正真正銘任務完了ということになる。
「それにしても君、運がいいのか悪いのか・・・、何分ほど前に遭遇したか分かるか?」
「30分だ。」
絶句。
「チョイ待て、冗談抜き!何分前だ?」
「30分だと言っている。理解できなかったのか?」
「馬鹿言え!ホムンクルス相手に30分持つ人間がどこに居るんだよ!」
「ホムンクルスというのが何かは知らないが、あの程度の技量ならどうということでもないだろう。」
平然と言い放つ金髪の青年に、真希士が振り回されている。綴香から見ればある意味滑稽だが、今ここで必要なのは事実確認だ。
「すみません、この馬鹿は無視してください。」
「おいコラ。」
「(無視)30分間、貴方はあれと戦っていたのですか?」
「ああ。」
「その鉄パイプでですか?」
「ああ、落ちていたからな。」
「武術の心得か何かが?」
「剣ならな。どれだけ致命傷を与えても死なないのが不思議だったが。」
手早く情報を聞き出していく綴香の脇でふてくされている真希士はこの際無視しても、必要なのは安全な場所への帰投だろう。ブラボーも話に加わる。
「すまないが、安全な場所に案内する。説明はするから、其処で事情を聞かせてはもらえないか?」
「ああ、いいだろう。だが、先に聞かせてほしい。」
「なにをだ?」
「あんたたちの名前。」
ブラボーは一瞬きょとんとしたが、すぐに忘れていたばつの悪さを笑顔で噛み潰して答えた。
「そ、そうだな。まずこっちが綴香。」
「よろしく。」
「で、こっちの不貞腐れてるのは真希士だ。」
「べ、別に不貞腐れてるわけじゃ・・・。」
「テイカにマキシか。」
「無視すんなぁ!」
部下たちと、どうやら相性がよさそうだと安心しつつ、ブラボーも名乗りを上げた。
「で、俺が「キャプテン・ブラボー!」」
「何の冗談だ?」
「本名は名乗ってないそのほうがかっこいいだろう?」
「いや、感性を疑う。」
ばっさりやられたことに落ち込む風を見せるが、一瞬のかげりを見逃すほどその青年も鈍いほうではないようだ。追及しない青年に内心でブラボーも安堵する。
何しろ、それを語れば少々自身のトラウマをえぐる。
「で、あんたは?」
横槍の形で真希士が尋ねる。答えられた名前はやはりなじみの薄い横文字だった。
「クラウド・ストライフだ。」
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