暁 〜小説投稿サイト〜
Cloud and Sunlight〜雲と太陽と〜
プロローグ:馬鹿〜とある密林にて〜
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んなことが起こるか、ご想像いただけたと思う。


「足跡・・・外に、だよな・・・。」

 見つけたのは、真希士だ。



「何で・・・なんで戦士がくるんだよぉ・・・。」

 自称「社長」、趙は必死でアジトを離れていた。おちのびる、という表現が正しいかもしれない。

「俺はまだ人を食ったこともないし、部下達だって食わせたことなんかないってのによぉ・・・。」

 そう、この趙という男、ホムンクルスとしてはかなり若い部類だ。自身や周囲の戦力を整えることに終始し、戦士がいつ来ても防御できる体制ができるまで、部下にも人食いを硬く禁じていたほどの慎重な男だった。自分の力を過信していないあたり、そこらのホムンクルスよりも狡猾だったといっていい。

 余談だがバレた理由は餓えた部下が趙に隠れて人を食っていたからなのだが、そんなことを趙は知る由もなかった。

「もうこうなりゃヤケだ、食えなくなるまで食ってから死んでやる!」

 この程度でヤケになるあたり器が知れたものだが、腹をくくってしまえば周囲からすれば最悪だ。

「さっきからうるさいんだよ!俺を馬鹿にしているのか!」

 ・・・地の文に噛み付いてくるあたり、切羽詰っているのが伺える。

「食い物、食い物、食い物・・・。」

 どうでもよくなったらしい。それもそうだろう、本能に逆らっていた分、飢餓は極限だ。そしてその押さえを外すと決めてしまったのだ。
 
「いた!」

 趙の目には、一人の人間が映っていた。



「急げ!ホムンクルスの足だ、町に着かれたらお終いだぞ!」
「く、失策・・・。」
「悔やむな、速力が落ちる!とにかく急ぐことだけ考えろ!」
「言われなくても分かってる、馬鹿!」
「余計なけんかをするな馬鹿、消耗する!」

 賑やかな面々が密林中を急いで走っている。養成所卒の戦士の足は最低でもオリンピック級程度はある。一般人が見ていたら騒ぎになる程度には速い。

「居たか?」
「左はなし、真希士?」
「右も後ろもなしだ!ブラボー?」
「正面、見える範囲には・・・いた!」

 見ると正面やや右に、趙が何かに襲い掛かっている様子が見えた。対象は人間の様で、金髪の外国人のようだ。

「綴香は保護に、真希士は俺と一緒に殲滅に当たるぞ、急げ!」
「「了解!」」



「大丈夫ですか?Are you OK?」
 保護対象は足腰もしっかり立っていて、鉄パイプのようなものを持っている。察するに戦って追い払おうとしていたのだろうが、無茶にも程がある。ホムンクルスは錬金術の力以外では傷1つ追わないからだ。こくりとうなずいたのを見てから趙のほうへ目をやると、もう殲滅は終わっていた。

「綴香!彼は無事か?」
「はい、オ
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