Part.5
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た。私の方こそ、先生に甘えていたんです。私の方こそ、謝らないといけなかったのに……」
「君が謝る必要はない。私は君が生きて、あのときの子供を立派に育ててくれたことが何よりも嬉しいんだ。こんな形の再会になってしまったけれど、消える前に君に会えて、良かったと心から思うよ」
その後賀川先生の亡霊はおまえさんたちの方に向き合う。
「私の勘違いと勝手に付き合わせてしまってすまなかった。特に……射命丸文さん、だったかな。怖がらせてしまって本当にすまなかった。そして、こうして謝罪する機会を私にくれてありがとう」
「い、いえいえ。直接何かされたわけじゃありませんし、成り行きでこうなってしまっただけですから偶然ですし……先生も良かったですね、誤解が解けて」
「ああ……」
他の2人も何か言いたいことがあったら言っていいよい?
「賀川先生、警察には私たちが連絡しておきます。部屋にあるあなたのお身体についてはご安心ください」
「俺は……別に何もされていないし、こうして解決したんだ。言うことがあるとしたらただ1つ。ご冥福を祈っている。今まで散々苦しんできたんですから、ゆっくり休んでください」
「そうか……ありがとう」
そう言って、深く頭を下げた賀川康史は、妄執に囚われた恐ろしい亡霊でなく、1人の教師だった。夕日に包まれ、賀川先生の亡霊は静かに消えて行った。……エンディングに行こうか。
―――・―――・―――・―――
あーいよっと、まずは探索者諸君、全員無事生還おめっとさん。まぁキャラロストはしないだろうなとは思っていたシナリオだったし、おまえさんたちなら普通に解決できると思っていたけどここまでダイスを振らないとはな。ちょっとびっくりだ。
「ロールプレイでカバーってやつよ」
「多分萩村さんがいなかったらもっとダイス振ってたと思いますよ」
まぁそれはいいや。後日談をしようか。
学校での賀川先生の亡霊との対決後、萩村は言った通り警察に連絡し、賀川先生の遺体を発見させた。そこには予坂親子の姿も見え、杏里は戸惑うばかりだったが梨世は静かに涙を流し、自分たちがどんな体験をしたのかがわかったようだ。
おまえさんたちは予坂親子と話を合わせ、世話になった教師の家に訪れたら遺体を発見し、そこを偶然歩いていたおまえさんたちも遺体を発見してしまった、と警察に話した。
賀川先生の死因は衰弱死ではなく、病死だったようだ。末期性の膵臓癌だったらしい。
その後おまえさんたちと予坂親子、宮城先生だけの小さな葬式が執り行われ、賀川先生はしっかりと供養された。未練を残して死んだ賀川先生だが、あの世に行く前に自分が苦しんでいたことと向き合い、真実を知ることができて本当に嬉しかったのであろう。
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