おまえがちょうどいい
Part.4
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文あんたまさか」
「いやいやいやいや」
あー、ちゃんと理由あるから安心しろ。
ちらりとおまえらが女性の顔を見たとき、その女性が卒業写真の中にあったかつての予坂梨世にそっくりだったことに気付いた。射命丸は彼女が自殺したと噂されていた予坂梨世だと感じ、彼女が自殺していなかったことに気が付いて安心した。ということで《SAN》値回復だ。
「なるほどそういうことでしたか……って凄い情報くれませんでしたか?」
「まさかのご本人登場か。いやもしかしたら予坂さんの縁者かもしれない。ここは本人かどうかを確認するベきだ。というわけで俺はその女性に声をかけるぞ。予坂さん? もしかして予坂梨世さんですか? と訊ねよう」
遊星が女性に声をかけると、女性は戸惑ったような顔をする。だがおまえたちを少し見て僅かに微笑んだ。
「ええ、私は予坂梨世よ。君たちはあの学校の生徒さんよね。その制服、16年前と何も変わらない。懐かしいわ」
「本人確認完了だ。間違いないな」
「でもなんで本人がこんなところに来たのかしらね」
ああ、それなら本人が喋ってくれるよ。おまえさんたちの制服を見て懐かしんでいた彼女は優しい眼差しを向けながら続けた。
「ねぇ、もしかしてあなた達が私のことを調べている学生さんかしら?」
「……この口ぶりからして、私たちが彼女について調べていたことを知っていたみたいですね」
「素直に認めた方がいいんじゃないか?」
「そうね。ここは誠実な態度で臨むべきだわ。はい、そうです。私たちは訳有って、あなたのことを調べていました。勝手なことをして舞い、申し訳ありません。と頭を下げるわ」
「私も頭を下げます」
「当然俺も下げる」
おまえさんたちが頭を下げると、予坂さんは軽く笑いながら手を振りながら大丈夫大丈夫と言ってくる。
「わかっているわ。きっと誠実なあなたたちだったから宮城先生はお話ししたんでしょうね」
「宮城先生が連絡したみたいですね。訊いてみましょう。もしかしてあなたがここに来たのは宮城先生から連絡が来たからですか?」
「ええ。宮城先生が古い伝手を使って私の連絡先を調べたらしくてね、昨日の夜に連絡があったのよ。私が生きていてよかったって、泣いて喜んでいらしたわ。宮城先生から聞いたわ。必死な顔つきで私のことを調べている生徒さんたちがいて、16年前の出来事を喋ってしまったってね」
「私たちのせいで嫌な過去を思い出させてしまって、本当に申し訳ございません」
「だからいいのよ。あれはもともと私の自業自得だったし、それにあなたたちが私のことを調べてくれたおかげで、私は一歩前に踏むだす勇気を持てたの。16年前、逃げるように去ったこの学校に、もう一度来て心の整理を付けるこ
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