Part.3
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が流れていたけれどその真相は今でもわからない。消息不明、と言うのが的確かしら」
「これは……割と重い話だな」
「そうですね……下手ないじめ事件よりも大変ですよこれ」
「このことを賀川先生は強く責任を感じてしまって……たしかに強い言葉を投げかけてしまったのかもしれないけど、賀川先生もきっと予坂さんを想ってのことだったのだと思うわ。本当に真面目な先生だったもの。自分の言葉のせいで予坂さんを傷つけてしまったこと、それから他の生徒たちや先生たちに白い目で見られるようになって、どんどん病んでいってしまって……遂には学校を辞めてしまったわ」
「……その後の賀川先生の行方はご存知ですか?」
「風の噂で、今も学校の近くのアパートで独り暮らしをしているって聞いたことがあるわ。……確かにあのときの放送の声は賀川先生のものに似ていたけど、この学校に侵入してきた挙句に放送室の鍵を盗ってあんな放送するような人じゃないわよ」
「用務員の人に成りすまして侵入した可能性はないんですか?」
「用務員さんの身元はしっかり管理しているし、それはないわ。大体賀川先生が犯人だったとしてその理由がわからないわ。なんで今になって動いたのか、どうして射命丸さんを標的にしたのか、理由がわからないもの」
「……話はここまでにしておいた方が良いわね」
「え? どうしてですか? 住所くらい教えてもらっても」
「住所訊いたところで教えてもらえるわけないでしょ。危ないことに首を突っ込もうとしていることがバレたりしたら間違いなく止められるし、宮城先生に訊くのは得策ではないわ」
「それもそうだな……じゃあどうするんだ? 重要な情報は手に入れたし、次にやることと言えば賀川先生か、予坂梨世さんに会うくらいだろう?」
「別の先生に訊くのが一番よ。親が世話になった先生に手紙を書きたいから住所を教えてって《言いくるめ》れば教えてくれるでしょ。それか深夜の学校に忍び込んで資料を盗み見る。こういう個人情報は、どんな会社でもずっと保存されているものだからね。当然学校も該当するわ。出来るわよね、GM」
勿論。ただし盗み見る場合は《図書館》か《経理》で判定してもらうがな。
「《言いくるめ》70、《経理》65の私に任せなさい」
「一応俺も《言いくるめ》と《経理》は取ってある。マイナーな技能だけど便利だよな《経理》。成功すれば帳簿からどういう流れで金が動いているのかわかるし、資料を簡単に纏められるし」
「ええ、あると便利よ。というわけでもうここに用はないわ。変に探って、私たちが危険なところに行こうとしていることを宮城先生に感付かれる前に退散しましょう。貴重なお話ありがとうございました宮城先生、と言いながら立ち上がって頭を下げる」
「俺も続く。
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