Part.3
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ラーだ。学校との付き合いは長く、これまで何人もの生徒たちの悩みを解決してきた実績もある。
「……GMがこういう風に説明してくれているということは、この人に嘘は通用しなさそうですね」
その通り。宮城先生はおまえたちが嘘の証言、または《言いくるめ》をするたびに80パーセントの《心理学》判定を行う。失敗か、同じ《心理学》による対抗ロールに勝たないと一発で嘘だと看破されるぞ。
「下手に嘘ついたりして信用を失うのは困る。素直に話すか、《説得》して聞き出すかの2択か」
「普通に素直に話しましょう。とりあえず全員の自己紹介は済んだことにしておいてロールプレイよ。というわけでソファに座りつつ話題を切り出すわ。さりげなく話を逸らせながら情報を引き出す。宮城先生、今日私たちのクラス……2年D組でとある騒ぎがあったのをご存知ですか?」
「ええ、訊いたわ。岸和田先生が取り乱して女子生徒に掴みかかったって……もしかしてあなたが?」
「いえ、私でなく隣に座る彼女がその被害に」
「射命丸さんといったかしら? 大丈夫? 怖かったでしょうに」
「ああはい、私はもう大丈夫です」
「そう……でもおかしいわねぇ、岸和田先生はそんなことをするような先生じゃ決してないのに」
「ええ、そのことは先生が担任の私たちも存じていることです。ですから私たちもどうして先生があんなことをしてしまったのか、私たちも私たちなりに調べていたところなんです」
「そう……」
「ところで、先生は昼休みの騒動をご存知ですか?」
「ああ、放送室の……確か萩村さんもそこに駆け付けたんですってね。先生たちも話していたわ」
「ええ、中に入って見たら誰もいなくて、まったく奇妙な出来事でした。その放送なのですが覚えていますか? 犯人が予坂文という人物をしきりに呼び出していたことを」
「覚えているわ。……そういえば、放送で言ってたのって2年D組だったわね。萩村さんたちと同じクラスじゃない」
「ですが不思議なことに、予坂文なんて生徒はうちのクラスにはいないんですよ。うちのクラスはおろか、他の組にもそんな人間はいません。……代わりにここにいる射命丸文ならいるんですけどね」
「それって……」
宮城先生は射命丸の方をちらりと見るよ。
「俯きながら返事をします。はい、私がこの騒動の中心にいるみたいなんです」
「心当たりはあるの?」
「それが全くなくて……。岸和田先生にも予坂って言われたり、友達の電話帳のアドレスも変わっていたり……本当に不安なんです」
「先生、単刀直入にお伺いします。放送室の騒動の件、先生はあの犯人の声に心当たりがあるのではございませんか?」
そう萩村が訊ねると、宮城先生は黙りこくってしまうねい
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