おまえがちょうどいい
Part.2
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番近い。一方、左奥階段だと放送室から見て真逆の方向に走らないといけないから、僅かだがタイムロスが発生する。まぁ、あんまり気にしなくていいかもしれんがね。
「よし。だったら走って放送室に向かうわ。階段は中央階段を使う」
おっと、んじゃあ《幸運》で判定してくれ。
萩村 《幸運》50 → 07 成功
成功か。なら何事もなく放送室に辿り着く。ちなみにまだ校内放送は続いているよ。
「ドアノブを回す」
鍵が掛かっていて入ることは出来ないねい。
「《鍵開け》なんて技能取ってないし、職員室に行って鍵を取ってくる……と見せかけて物陰に隠れて放送室から誰か出てくるまで待つ」
ああ、その必要はないよい。おまえさんが放送室のドアノブをガチャガチャしているときに何人かの先生たちが駆けつけてくる。おまえさん同様、この異常な校内放送をやめさせるべくこうして赴いたんだろうねい。全員物凄い表情をしている。先頭を走っていた体育の先生の手には鍵が握られていた。
「んっ!? おまえは萩村か! この悪戯はおまえの仕業か!?」
ちなみにおまえさんがドアノブに手をかけてから校内放送はぱったりと止んだよ。放送室の真ん前にいた、しかもドアノブに手をかけていたおまえさんを先生たちが疑うのは当然だよねい?
「んなわけないでしょうが! 放送で流れていたのは男だったでしょう! 女子の私がどうやってあんな声出すってんのよ! 疑うなら調べてみてください! ボイスレコーダーはおろか、携帯電話もこの放送室の鍵も持っていませんから! 《説得》で判定!」
萩村 《説得》70 → 57 成功
「む、むぅ……それもそうか」
「萩村さん、あなたが来たときに誰か放送室から出てきたかしら?」
「いいえ、ですから犯人はまだこの放送室に籠城していると思われます」
「よし、じゃあ入るぞ」
体育教師が持っていた鍵を鍵穴に刺す。くるりと180度問題なく回転した。普通に開錠したようだ。扉を開けて先生たちが放送室になだれ込む。
「私も入るわ。で、誰がいるの?」
それがどっこい、不思議なことに誰もいない。放送に使う機械類は動きっぱなしでほんの少し前までここで誰かがこの機器を使って校内放送していた痕跡こそ残っているが、その肝心の犯人の姿がない。
「放送室に窓はある?」
校庭に面したところに1つだけ。でも鍵が掛かっているし、ここは3階だ。仮にそこから外に出ようものなら地面に向かって真っ逆さま。ベランダはないから壁をつたって隣の教室に逃げ込むことなんて出来ない。
「いったいどういうことよ……」
きっとおまえさんと同じことを思ったんだろう、先生たちも困惑した様子だ。でもいくら考えてもわからず諦めたように
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