クロノスを喰らうもの
Part.11
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あげよう」
「……それもそうですか。わかりました……」
「え? え? な、なんだ……リコは何をしようと……ま、まさかそんな!」
「理人くん、ここは彼女を信じて……目を逸らさず、見届けましょう。と言いながら理人くんの肩を掴んで動けないようにします」
「そ、そんな! 放せ! 放してください! リコ! リコォ!」
理人くんは必死の形相で理子を呼びますが、理子は動揺の色一つ見せず、希望を顕わに決然と答えます。
「大丈夫だよマサト。これで私は自由になれる。私の脳の価値? そんなの、興味ないわ。叡智なんていらない。神様なんていなくてもいい。たとえもう、二度とこの目が光を見ることができなくなったとしても構わない。だって……私が欲しかったものは、ずっと……ずっと、この手の中にあったんだから」
ふわりと笑みを浮かべ、目を瞑った瞬間……理子は短剣を思い切り自らの眼球を貫かせ、切り裂いた。……目の前で1人の少女が自らの眼球を貫いた光景を目撃した皆さん、最後の《SAN》チェックです。0/1D6です。
古美門《SAN》48 → 16 成功
勇儀 《SAN》25 → 19 成功
咲夜 《SAN》28 → 51 失敗
遊星 《SAN》15 → 35 失敗
京楽 《SAN》19 → 19 成功
「(コロコロ)……4。何とか発狂は回避しました。涙を流しながら両手で顔を覆います」
「(コロコロ)……俺も大丈夫だ。1」
「くそっ! くそぉっ!」
「リコォ!」
無念の咆哮を上げる加納、咲夜の手から解放された理人は泣きながら理子の所へ向かいます。泣き叫ぶ理人の頭を撫でながら、自らの両目を切り裂いた理子は地面に膝を着きながらも心からの笑顔を浮かべました。
「これからはずっと一緒だね……マサト」
……と。
「……ボクは慟哭している加納の所に行くよ。そして話しかける。キミが目的にしていた彼女の目は……死んだ。もう彼女に固執する理由はないだろう?……お願いだからさ、諦めてくれないかい。ボクも古美門先生も、キミやキミの後ろに控えている組織と敵対するつもりはないよ。だからどうか、これ以上あの子たちを傷つけないでほしい。彼らには何の罪もないんだから」
「……くそが。まぁ、いいでしょう。無益な殺生は好みませんし、私たちの負けのようです。せっかく上質な脳を持ち帰ることができると思ったのですが……残念です」
そう言って加納は、部下の天狗衆たちを引き攣れて大講堂から去っていきました。
……それではエンディングにいきます。
――――・――――・――――・――――
はい、では探索者の皆様、全員無事生還おめでとうございます。終盤の猛烈な《SAN》チェックの嵐
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