クロノスを喰らうもの
Part.10
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けた智代は青い炎に包まれ、上半身と下半身を真っ二つに割かれて死にました。
「……は?」
「何が起きた? 攻撃元はわかるか? わかるならそこを見る」
電撃の起動から、それは大講堂の入り口から放たれたことがわかります。
大講堂の入り口には幾何学的な、まるでハリウッド映画か何かに出てくるような電気銃を握る加納三吾と、その部下の黒服の男たちが立っていました。
「こいつら……ここでお出ましかい!」
「このタイミングって出てきたってことは……こいつら、面倒なことを我々に任せて美味しいところだけを取りにきたのか。やはり信用しなくて成功だったな」
「捨て駒ご苦労。君たちは実に役に立ってくれました。心から礼を言いいます。さて、祟道理子をこちらに渡しなさい。そうすれば君たちの身の安全は保障しましょう」
「ははは、君はどうやらあまり物事を覚えるのが得意でないようだぁ。昨日の言葉をもう一度言おうか。――目的が分からん奴らのどこのどう信用しろというのだ」
「理子ちゃんを渡した時点でボクたちはもう用済み。約束を破る可能性もあるし、それを差し置いても理子ちゃんを渡すつもりはないよ。警察官として、まだ若い子供たちの未来を潰そうとする輩は見逃せないねぇ」
「そうです。理子ちゃんはこれから理人くんと一緒に幸せな人生を送るんです。これ以上、彼女の人生を狂わすことは許しません」
「あたしはねい、悪いけどねい、おまえさんみたいな聞いただけで上っ面だけな言葉を吐く奴は大嫌いなんだよねい。――早く視界から消えろ。ぶち殺すぞ」
「俺は黙って銃を加納に向ける」
では加納三吾と彼が率いる黒服――天狗衆との戦闘に入りましょう……と思いますよね? 皆さん、忘れていませんか?
「え?」
「なにを?」
さぁ、なにをですかねぇ。すぐに答えがわかりますよ。
理子を守るべく動く探索者たち、理子を奪うために未知の武器を使う加納率いる天狗衆。まさに一触即発。いつ暴力が暴力を生み出す大乱闘が起っても不思議じゃないそんな雰囲気が流れ始めた……その時! この大講堂内に異変が起こります。
月の光が差し込む大講堂。しかし、月の光ではない、青い何かが煙のように漂う。まるで何かが腐ったような、明らかに不浄なものだとわかるほどの強い刺激臭を帯びた煙のような何かは、やがて霧となってこの大講堂を包み込んでいきます。
「……あ、そういえば」
「忘れてた……こいつがいたな」
この霧の発生源は大講堂の隅の隅。おおよそ90度直角のその空間に亀裂が走り、そこから何かが飛び出してきました。その飛び出した何かは……倒れる理子のもとへ一直線。しかし、それは理子にあたることはありませんでした。とっさに理人くんが理子を庇ったために襲撃に失敗
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