クロノスを喰らうもの
Part.9
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す。
直接会うのは初めてですが、テレビやらなんやらでメディアに進出している都議会議員にして【クロノスの光】の総帥、祟道智代です。
祟道智代はあなた達と理子との間を塞ぐかのように立ちはだかり通せん坊をしてきます。理人くんは走るその足を止め、彼女を睨みつけています。
「黒幕のご登場か。よし、私もそこに向かうとしよう」
「ボクも行こう」
「あたしも行こうか」
「私は祟道智代から守るように理人くんを腕で制して話しかけます。理人くん、落ち着いてください」
「でも理子が!」
「ですから落ち着いてください。大丈夫です。絶対に助け出しますから。と言いつつ少しずつ後ろに下がらせて祟道智代と距離を取ります」
「俺は……ここに残ろう」
「というわけでロールプレイだ。やぁどうもお初にお目にかかる祟道議員。私は探偵の古美門です。当然、ご存知ですよねぇ? あんなに素晴らしい歓迎をしてくれたんですからぁ。さて自己紹介も済んだことですし本題に入らせていただこう。早速ですまないがこちらも時間がなくてねぇ。こほん。――今すぐ理子くんの洗脳を解き自由にしたまえミセスクレイジー」
「そうはいきません。……あの薄汚い児童養護施設で巫女を見つけ出してから数年……私たちの娘、理子はクロノスの巫女としてついに完成したのですから」
「洗脳して自分の都合のいい駒くらいにしか考えていない理子ちゃんをどの口が自分たちの娘とぬかしますか。御託はいりません。理子ちゃんを解放してください」
「都合のいい駒? いいえ、違います。理子は気が付いたのです。自分が受けたあらゆる理不尽。その原因が一体何なのかを。理子は自ら志願して私たちに教えを乞いてきたのです。ですから私たちはありとあらゆる教育を施しました。私たちは理子の願いを叶えたに過ぎないのです」
「おまえたちがそれと錯覚させるように仕向けたんじゃないのか? それが理子ちゃんの本当の願いだと、おまえの支持する【クロノス様】とやらに誓えるのか?」
「誓えますよ。言ったでしょう。理子はクロノスの巫女として完成した、と。理子は大いなるクロノス様を崇拝する完璧な信者となったのです」
「……クロノス様……クロノス様が全てをあるべき姿に戻してくださる……」
「そう、理子。あなたが幼少の頃から受けてきた理不尽は全て、矮小なる人類が世界の支配者を気取っているが故の不幸! 大いなるクロノス様だけが、あなたを幸せにしてくれるのです!」
「そんなことはありません!」
「あー、もういいよ。続きはいくらでも聞いてあげるから、とりあえず署までご同行願おうか?」
「ふふふ、それに私が首を縦に振ると思いますか? もとより私はあなた達に従うつもりも……そしてあなたたちを無事で帰すつもりもありま
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