クロノスを喰らうもの
Part.7
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「私は理人くんと手分けして引き出しを漁ります」
「あたしは探索しない。入り口付近に立って辺りを警戒する」
「俺も引き出しを調べよう。《目星》初期値の古美門よりも適任だろう」
「なら私は本棚を調べる。近くに刺股を立てかけよう」
わかりました。では引き出し組からどうぞ。
「引き出しはどれくらいありますか?」
5つです。
「つまり教師は5人いるということですね。では引き出しを片っ端から開けていきましょう」
「《目星》は必要か?」
必要ありません。特に目ぼしいものは見つかりませんでしたが、引き出しの中には共通して、何らかの薬品が入った小瓶とガーゼがありました。
「小瓶には何か書かれていますか?」
クロロホルムと書かれています。
「睡眠作用のある薬品だ。あの警備員たちもこれを持ち歩いているんだろうな」
「あ、それあたしにくれないかい? 人間相手の戦闘になったら使える」
「わかった。小瓶とガーゼをくすねて勇儀に渡す。俺も持っておこう」
はい、では本棚組どうぞ。
「本棚に対して《図書館》を振ろう」
「待て京楽、それは最終手段だ。ロールプレイで得られる情報を根掘り葉掘り聞きだしてからでも遅くはない。GM、《図書館》で振らない程度で何があるか教えろ」
各種教材、辞書、教育用マニュアル等、一般的な学校にありそうなものが一通り揃っています。
「怪しそうなタイトルの本はあるか?」
技能を振ってください。
「じゃあ《図書館》を――」
「まだだ。まだ技能を振る時ではない。各種教材が揃っていると言ったな? 普通の教科書には背表紙に各教科の名前が書かれているだろう? それ以外の言葉が書かれた背表紙の本はあるか?」
お見事です。えー、国語や算数などの教科書たちに混じって、【クロノス】と書かれた背表紙の本があります。
「ほら見たまえ、《図書館》なんぞに技能振らずとも情報は得られるのだぁ」
「それはこのGMが優しすぎるだけなんじゃ……」
そうですか? クトゥルフはロールプレイングゲームですから、しっかりと具体的に行動を説明してくれればちゃんと情報は提供しますよ? 変に意地悪してシナリオ詰んだら困りますし。
「私はその【クロノス】と書かれた本を手に取る」
「ボクはそれを見て興味深そうに言う。ん? 先生、これは何の教科書だい?」
「わからん。わからんから私もこうして手に取ったのだ。GM、私はこの教科書を読む」
「ボクも読もう」
はーい、ではその本を読んだPCに以下の情報を公開します。
1、『その者』は立体的でありながら平面でもある図形として降臨する。人類の矮小な知識はかの不可能図形を
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