クロノスを喰らうもの
Part.3
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ご両親はこの傷跡に心当たりはあるかい?」
まったくありません。男の子が失踪するまで、そんな傷はなかったと言っています。
「失踪したあとにできた傷ということだね。状況証拠からしたら自殺だけど、死体の損傷から他殺の可能性が高いっていうことか。…………。失踪前にこの男の子はどこに向かったかわかるかい?」
【クロノスの光】が経営する学校に向かいました。勉強するためなのでしょう。
「なるほど。上が【クロノスの光】を怪しんでいる理由がわかったよ。GM、今度は【クロノスの光】に関する資料を見るよ」
資料によりますと、【クロノスの光】は東京都多摩市にある施設です。学校というより、巨大なプレハブ小屋のような簡易施設です。
活動としましては、学生ボランティアや有志の講師、更には有名な大学の教授までも集まり、貧困やそれ以外にも入り組んだ事情により、真っ当な教育を受けることのできない子供たちのために授業を行っています。代表を務めるのは『祟道智代』という、教育機会の均等化を唱える女性都議会議員です。
ちなみにこれらの情報はインターネットで調べれば得られる情報です。
「ああ、だからあそこでシーンを切ったんだな。次に私たちのシーンに移った時、このことを知った上で行動してもいいか?」
ええ、構いませんよ。その方がサクサク行きますし。
「他にはわからないのかい? 何か調べていたみたいだけど」
はい。ですから上司はあなたに調査を指示してきたのです。
「それもそうか。じゃあ聞き込みに行ってこようかな。GM、ボクはこの住所に書かれている【クロノスの光】に向かおう」
わかりました。では、京楽のシーンはここでお終いです。チーム古美門にシーンを移しましょう。
「……ボクのシーン、短くないかい?」
それについてはごめんなさい。
「ああ、いやいや。まあボクだけ単独行動だからねえ。仕方ないかあ」
――――・――――・――――・――――
京楽が【クロノスの光】に向かい出した同時刻、あなたたちは【クロノスの光】についての情報を入手しました。
「どうする? 俺たちも【クロノスの光】に向かうか?」
「いや、待て。まだ夫のことについて調べていない。妻が都議会議員をやるほどの大物なんだ。夫も何かをやっていてもおかしくない。遊星くん、今度は『祟道叡史』について調べるぞ」
「わかった。『祟道叡史』で検索だ。ググるだけだから《コンピュータ》はいらないよな?」
遊星さんは現代人ですよね? ググるだけなら小学生でもできますよ。ですから結構です。
「よし」
『祟道叡史』で検索しますと、彼は東京都中央区銀座の裏路地にある占いの館【ノーヴルヴェール】の支配人であ
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