クロノスを喰らうもの
Part.3
[1/10]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
1時間後、小学生の不審死事件の捜査を受けた京楽のもとに、上司からその事件の資料が届きました。
「GM、今ボクの近くに人はいるかい? というか部下とかいないのかい?」
いませんね。あなた1人です。
「寂しい。まぁ、変にNPCがいても困るし、それはいいかなあ。さて、まずは山中で発見された死体の検死結果の確認だ。何か不審なところはないかな?」
検死はまだ終わっていませんので詳しい結果はわかりません。
「どれくらい時間がかかるのかな?」
結果が出るまだ時間がかかりそうです。いつ終わるのかはわかりません。ただ発見された死体の簡易的な情報は資料に記載されています。
「よし、見よう」
ではあなたが『奥多摩山中小学生首吊り自殺事件』の捜査資料に手を付け、そのページを開きます。
死亡していたのは12歳の男の子。両親の確認も済み、身元もはっきりしています。奥多摩山中の木の幹にロープで首を吊られている状態で発見されました。死因はおそらく窒息死。死体の真下には倒れた脚立があったことから自殺である可能性が高い。しかし、その死体には不審な点が確認された。詳細は次のページに書かれています。
「ページを捲る」
そのページは、発見された男子小学生の写真が上半分に乗っていました。
生気を感じさせない、薄い乳白色に染まっている肌、紫色になってしまった唇。それらは何人もの人間の死体を見ている京楽にとっては見慣れてしまったものでしたが、ただ1つ、今まで自分が担当したどの事件にもなかった特徴がありました。
それは発見された死体の両目。
幼き男の子の、本来なら無垢な輝きに包まれていたであろうその小さな両目には、横一文字に引き裂いたような、凄惨な傷跡がありました。
真っ当な人間ならば例え暴力を振るったとしても傷つけることはないだろう部位、目。それは容赦なく、完全に潰されてしまっており、例え生きていたとしても、もう二度と、その瞳で世界を見ることは叶わないであろう。
このような写真を事前情報もなにもなく直視してしまった京楽は、0/1D3の《SAN》チェックです。
「まさかボクが《SAN》チェック1号になるとは思わなかったよ……」
京楽 《SAN》55 → 64 失敗
「幸先悪いなぁ(コロコロ)……1。ちょっとびっくりしたくらいかな。おぉ、これは酷いねえ。GM、この傷跡はどんな感じだい? 動物とかに引き裂かれたみたいな感じかい? それともナイフか何か、刃物で一気に引き裂いた感じかい?」
鋭利な刃物で斬り付けられたみたいですね。
「ということは人間の仕業か。なんて酷いことをするんだろうねぇ。うーん、この少年の両親からの聴取は終わっているんだよね?」
終わっていますね。
「
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ