クロノスを喰らうもの
Part.2
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めにな。いざというときに戦闘準備さ」
では数分経ちまして、あなたたちを案内した女性がお茶と1冊の分厚い本を持って戻ってきました。
「お待たせいたしました。えっと……あなたは座らなくてよろしいのですか?」
「うん? ああ、あたしは座らなくて大丈夫だよ。でもせっかくお茶を入れてもらったんだし、頂こうかねい。行儀が悪くてすまないねい。何分性分なもんでさ」
「あはは、大丈夫ですよ。零さないように気を付けてくださいね」
「ああ。気を付けよう。お茶を受け取って飲む。確認するが、古美門も咲夜もお茶に口は付けてないよな?」
「私は付けていない」
「私も付けていませんね」
「じゃああたしが最初だな。飲んでみた感じどうだい? なにか身体に異変はあるかい?」
ないです。普通においしい紅茶だなぁ、と思うことでしょう。
「よし」
さて毒見チェックをしてもらったことですし、お茶を置き終えた女性は古美門の前の椅子に座って分厚い本を捲ります。どうやらアルバムのようですね。
女性は何かを探すようにアルバムのページを捲ると、ある1ページで手を止め、そこから1枚の写真を取り出してあなたたちに見せます。
「どんな写真だ?」
1人の少年と少女を中心に、他の子供たちが楽しそうに遊んでいる写真です。
中心になっている男の子の顔に、あなたたちは見覚えがあります。今でこそ成長して子供っぽさが減りましたが、三白眼と特徴的なツンツンした髪の毛から、この少年が依頼人である秋口理人くんであることがわかります。
「この写真。ここに写っているのが理人くん、そしてこっちの子が理子ちゃんです」
女性が指差したのは、中心に写っている理人くんよりも年上らしき少女。
薄く綺麗に笑っている本来ならばAPPが16相当の美少女ですが、その美しい顔の左半分が痛々しい火傷傷に覆われてしまっています。
「この子が理子ちゃんか。なぜこのような……事故かなんかですか?」
「事故なんてとんでもありません。……この傷は両親の虐待によるものですよ」
「……これは酷いな。根性焼きとかそんなレベルじゃない。流石の古美門も言葉を失うぞ」
「この傷のせいで理子ちゃんは学校でもいじめを受けて……本当、どうしてこんなに可愛くていい子が……。この写真が最初この施設にやってきたときの理子ちゃんです」
さらに1枚の写真をあなたたちに見せてきます。
顔半分がやけど傷に覆われた少女のその瞳に光はなく、まるで人形のような無表情です。
「ここに来たときにはもう目が虚ろで、喋りかけても薄い反応を示すだけで声も出すことができなくなってしまって……。でも! 理子ちゃん、理人くんや他の子供たちと触れ合っていく中でちょっとずつですけど
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