クロノスを喰らうもの
Part.2
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しているのです」
「ああ、理子ちゃんですか。電話でも言ってました。理子ちゃんはいないかって? お姉ちゃんのように慕っていましたからね理人くん。多分思春期になって、会いたくなったんでしょうね。……少し話が長くなりそうですし、こちらへどうぞ」
と言って職員女性はあなたたちを案内しようとします。
「私は施設に乗り込む。立ち話なぞまっぴらごめんだ。職員女性についていくぞ」
「古美門が行くならあたしもついていくぞ」
「私も行きます」
「俺は車で待機し続ける。見張りを続けよう」
では遊星を除いた3人は職員女性に連れられて【ぬくもりハウス】内に案内されます。
【ぬくもりハウス】はどこにでもあるような養護施設と同じような作りになっており、特に変わった様子はありません。すれ違いざまに出会った職員たちも子供たちも、温かな笑顔を浮かべて挨拶してきます。
しかし数いる子供たちの中には、顔や脚、腕などに何かで焼き付けられたような跡や、具合からして古い傷が目立つ子供もいました。
「歩きながら女性職員に小さな声で話しましょう。あの、子供たちの傷は一体……」
「……ここにいる子供たちは、みんなここに預けられているわけじゃないんです。みんな、捨てられたり、逃げてきたりして、ここに来たんです。みんな両親から酷い虐待を受けたり、邪魔者扱いされて虐げられたり……理人くんも理子ちゃんもそういう子供でした」
「そうでしたか……。申し訳ありませんが、詳しくお聞かせ願いますか?」
「はい。理人くんは『赤ちゃんポスト』に捨てられた天涯孤独の孤児。理子ちゃんは両親のみならず学校でもいじめを受けていて……顔だけじゃなく身体中至る所に酷い傷跡が残っていました」
「2人とも訳有りの子供だったんですなぁ。親による子供虐待は日本のみならず世界中で注目されている社会問題だ。こんなことを言ってはなんですが、そう珍しいことではない」
「それもそうですね。ですが容認できる問題ではありません。理人くんはまだしも理子ちゃんは虐待のせいで心にも深い傷を負ってしまって……と、すみません。長くなってしまいました」
「いえいえ、そんな。こちらこそ辛いことを思い出させてしまって申し訳ありません」
「本当に辛いのは私ではなく、理人くんや理子ちゃんのような子供たちですから。着きました。こちらです」
と言って職員女性は『応接室』と書かれた部屋のドアを開けます。
「入ろう。GM、テーブルと椅子はあるな?」
部屋の中央にテーブルがありますね。椅子は4つあります。
「では私は一番入り口に近い椅子に座ろう」
「私は先生の隣に座ります」
「あたしは部屋の隅っこに腕を組んで立っていようかねい。ここは大丈夫そうだが念のた
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