クロノスを喰らうもの
Part.1
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りはしませんから。と男の子に向かってにっこり微笑みます」
(……ほっ。ナイス咲夜)では少年は古美門の正面のソファに恐る恐る座りました。
「私は男の子の隣に座りましょう」
「さて、受けるのはいいがまだ私は君の名前を知らない。名前は?」
「あ、秋口。秋口理人……です」
「理人くんか。さて、まずは依頼料を差し出してもらおう」
では理人はポケットの中からお札やら小銭やらを丁寧に出します。数えると丁度5万円あることがわかります。
「私が数えましょう。……先生、確かに5万円頂戴しました」
「ふん、まぁいい。それで、どんな依頼だ? これで近所の猫探しとかだったら怒るぞ」
「ね、猫探しじゃない。人探しなんだ。リコを……リコを探してほしいんだ」
「リコ? リコとは誰だ?」
「リコはリコだ」
「こいつ調子に乗って――」
「私が対応します。この子からの《信用》値は最大ですからね。えっと理人くん、そのリコちゃんの苗字を教えてくださいな」
「それはその……結構昔のことだし、俺もリコとしか呼んでいなかったから覚えがないんだ」
「それだけじゃあ手掛かりが少なすぎますね。そうですね。理人くんとリコちゃんの関係を教えてください。昔仲が良かった関係なのでしょう? どこでどう出会ったか、覚えている範囲で教えてください」
「実は俺……今は養子になっているけど、小学生に上がるまで児童養護施設で育った孤児だったんだ。リコともそこで知り合ったんだ」
「おっと……ゴメンなさい。ちょっと踏み込み過ぎましたね」
「い、いやそんな……もう気にしていないから。リコはなんというか、お姉ちゃんみたいな存在だった。結構慕っていたんだ。でも気付いたら忘れていて、最近になって思い出して会いたくなったんだ」
「そうだったんですね。その児童養護施設はなんていう施設なんですか?」
「埼玉の所沢にある【ぬくもりハウス】っていう施設だ」
「【ぬくもりハウス】ですか。そこにはもう連絡しましたか?」
「ああ、したよ。でももう施設を出た後だったんだ」
「ですからここに来たんですね。わかりました。それだけの情報があれば充分ですね。あとは顔写真を撮らせてください。聞き込みするのに使えるでしょう。理人くん。あなたの写真を撮らせてください。リコさんを探す手掛かりになります」
「あ、はい。それなら」
「パシャ。これで良しです。さて他に訊きたいことはありますか、先生」
「ああ、あるぞ。理人くん、君は【ぬくもりハウス】に問い合わせた際、そのリコちゃんとやらがどこの家に引き取られたかを聞かなかったのか?」
「……あ。そういえば聞いてない……」
「よしオーケー。聞きたいことはそれだけだ。も
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