第四十七話 ハーフエルフの少女
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っとしたら、シャジャルさんが特別だっていう可能性もある」
マクシミリアンは、諜報部員の何名かを、ブリミル教圏とサハラとの境界に在る自由都市ビザンティオンに派遣し、商人として交易を行う傍ら、諜報活動を行わせていた。当然、発覚すると色々と面倒な為、一部の者以外、秘密にしてあるが、ビザンテイオンから届いてくるエルフ像は、皆が皆、ヒトの事を『蛮人』と嘲っている事だった。
「そうでしょうか……」
「そんな悲しい顔しないでよ。カトレアの言っている事は、とても大事なことだから。延々と憎みあうのは、非生産的だ。何らかの形で和解したいと、僕も思ってはいたさ……けどね」
「ブリミル教、取り分けロマリアは、エルフが占拠し続けている聖地を諦める事は無い、そういう事ですね?」
「そういう事、それに今更『エルフと仲良くしましょう』と言ったって、今の状況ではどれ位の人々が賛同してくれるか……最悪、ロマリアから破門宣告も有り得るし、各国から袋叩きになる可能性も高い。カトレア、悪いけど、この事は心に閉まって置いてくれ。けっして誰かに言ってはいけない。セバスチャンとメイドコンビもだ、この事は絶対に秘密だ、いいね?」
「ウィ、殿下。この事は決して誰にも漏らしません」
「わわっ、分かりました!」
「決して、秘密を口外しません」
三人は、秘密を守ると誓った。
「モード大公の秘密を共有するのは、僕ら五人だけだ。事が事だけに、諜報部以外に情報の拡散をしないつもりだ。今後、アルビオンのエルフ関係でセバスチャンやキミ達メイドコンビにもアルビオンに飛んで貰う事もあり得るから。その辺の心構えはしておいてくれ」
「ベティもフランカも、わたしの事は気にせず、あの母子の為にどうか屈力して下さい」
『分かりました』
ベティとフランカは、異口同音に了承した。
こうして、新たな問題を抱えながらも、マクシミリアンらを乗せたベルギカ号はトリステインへと進路を向け出航した。
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