第四十七話 ハーフエルフの少女
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☆
モード大公領からロサイス港に到着したマクシミリアン一行は、来た時と同じようにベルギカ号に乗艦し、後は出航を待つだけとなった。
懸念された、モード大公の口封じも、マクシミリアンとモード大公の密約(?)で回避され、平穏無事に帰国する事が出来そうだった。
マクシミリアンは、ド・ローテル艦長の下に行っており。カトレアは、来た時と同じ客室でメイドコンビが淹れた紅茶を飲みながら昨夜の事を思い出した。
それは、ティファニアを抱えて、東の塔へ行った時、窓を開け優しく出迎えたくれたティファニアの母シャジャルが、カトレアの中にあったエルフ像を粉々に打ち砕いた。
一言、二言しか喋る事が出来なかったが、感の良いカトレアはシャジャルの人柄を読み取り好感の持てる人物と判断した。
そして、一つの夢に近い理想を持つようになった。それは……
(ひょっとしたら、ヒトとエルフとの和解が可能かもしれない……)
数千年間、争い続けた二つの種族を和解させる可能性が、カトレアには見えた。
暫くしてマクシミリアンが部屋に帰ってきた。
「おかえりなさいませ、マクシミリアンさま」
「やあ、カトレア。僕にも紅茶を」
「畏まりました」
メイドコンビのフランカが、マクシミリアンの分の紅茶をカップに注いだ。
「新婚旅行も、とうとう終わりだ。カトレア、楽しんでもらえたかな?」
「はい、マクシミリアンさま。大変、有意義な旅でしたわ」
「よかった。喜んでもらえて嬉しいよ」
「マクシミリアンさまは、どうでしたでしょうか? わたしだけ楽しんだら、新婚旅行の意味がありませんわ」
「それもそうだ、まあ僕も楽しめたよ。色々な人材も手に入ったしね」
「まあ! ここでもお仕事ですか?」
「もちろん、カトレアとの旅が一番だったさ」
「お上手ですわね」
「本当の事だよ」
二人は、テーブルを囲んで談笑に入った。
「実は、マクシミリアンさま、昨夜、例のシャジャルさんとお会いしました」
ロサイス港を出航し暫くして、カトレアは語りだした。
「確かティファニアの母親だったな。どういう人だった?」
「わたし、今までエルフは、もっと怖い人々と思っていましたが、シャジャルさんは、優しそうな人でした」
「そうだったのか、まあ、ティファニアがあんな感じだったし、その母親もいい人っぽいと予想できたけどね」
「その時、わたしは思ったんです。ヒトとエルフの和解は可能なのではないか、と」
「エルフと和解か、う〜〜ん」
「何か気になる事が?」
「シャジャルさんのみ見て、全てのエルフもシャジャルさんの様だ、と断定するのは早計じゃないかな。ひょ
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