第四十七話 ハーフエルフの少女
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マクシミリアンの周りの雰囲気が剣呑になった。
彼としても、口封じの為にむざむざ殺される訳には行かない。
この場に居ないカトレアの周辺には、セバスチャンと二人のメイドが武装して控えていて、血路を切り開く準備も出来ているし、最悪の場合、マクシミリアンとカトレアを逃がす為に殿も辞さない。
「ま、まあ、待ってくれ。私が口封じをする積もりなら、会談を承諾したりしない」
「そう思わせて……という場合もあります」
「絶対にそれは無い。最早、私達の運命を握っているのは、マクシミリアン殿なのだ」
「……ちょっと、脅かし過ぎましたか。申し訳ございませんでした」
そう言うと、頭を下げるとマクシミリアンの雰囲気は和らいだ。
「ふう、勘弁して欲しい」
「すみませんね。さて、本題に入りましょうか。モード大公は、このままティファニアとその母親を隠し通せるとお思いですか?」
「昨夜の様な事が、また起きるとも限らない。正直な所、隠し通すのは無理だと思っている」
モード大公が、エルフを匿っていた事が知れれば、これ程のスキャンダルは無い。
『アルビオンの王族がエルフと関係を持っていた』
などと馬鹿正直に発表出来るはずもない。秘密裏に大公を謀殺する事も十分有りえた。
そして、モード大公の命運を握るのはマクシミリアン。
(これをネタに脅して、モード大公を意のままに操ろうか……)
マクシミリアンは黙考に入った。
(それとも、大公を謀殺させ、アルビオンの内情不安を煽り、それをトリステインの利益を引き出すことは可能だろうか……)
マクシミリアンは黒い黙考は続く。
(オレにもアルビオン王家の血が流れている。上手く立ち回れば或いは……)
……アルビオンを乗っ取る事が出来るかもしれない。
徐々に妄想はエスカレートして行ったが、次の瞬間、マクシミリアンの脳裏にカトレアの憂いに満ちた表情が走った。
(……いかんいかん。オレは一体何を考えていたんだ)
ブンブンと頭を振った。
「……何か?」
モード大公は、不思議そうな顔をしていた。
「失礼しました。僕としての考えは、このまま城内に隠し通すのは無理だという事です。何処から漏れるか分かったものではないですからね」
「それでは、何処か別の場所に隠すと、そういう事、か。う〜む」
「そうですね、問題は何処に隠すか……ですが。う〜ん」
お互いソファに座るモード大公とマクシミリアンは、同時に足を組み直した。
「隠し場所については、私に考えがある」
モード大公が何らかの案を持っていた。
「何処か良い所がありますか」
「うむ、『ウェストウッド』という、人
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