第四十七話 ハーフエルフの少女
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ニアは気付かなかったが、マクシミリアンはその殺気がティファニアに向けられている事に気付いた。
瞬間、マクシミリアンらの上空に照明弾が放たれた。
「危ない!」
マクシミリアンのエア・シールドと、西の塔頂上でマズルフラッシュの閃光が走ったのは、ほぼ同時だった。
……
西の塔で、不審者に目を光らせていたセバスチャン達が、闖入者のティファニアを見逃すはずは無く。グロスフスMG42で攻撃の機会を窺っていた
「ミスタ・セバスチャン。何があったのですか?」
「暗くて何も見えないよ」
「うぅんむ……あの耳はまさか……」
夜目の利くセバスチャンは、ティファニアの尖った耳を確認し思わず唸った。
ベテランのセバスチャンが唸るのも仕方が無い。ハルケギニアの常識では、エルフは悪魔と同意語だ。
「エルフの少女に化けた暗殺者……かもしれない」
「エ、エルフ!?」
「それって、ヤバイんじゃないの!?」
事情を知らないセバスチャン達は決断を迫られた。
「両殿下に何か有っては一大事、ここは撃とう」
そう言って、セバスチャンはベティと射手を入れ替わり、ティファニアに照準を向け必中をこめて発砲した。
……
ババババババババン!
「マクシミリアンさま!!」
『エア・シールドッ!』
自然にマクシミリアンの身体が動いた。
マクシミリアンは、ティファニアへと駆け、そのまま抱き寄せると『エア・シールド』を放った。
山なり弾道で迫る銃弾は『エア・シールド』にぶつかると、『ぼふん』気の抜けるような音で出し『エア・シールド』を貫通した。
「やばっ!?」
幸い銃弾はマクシミリアンとティファニアには当たらなかったが、二人のすぐ側を空気を裂く音と共に抜けていった。
「マクシミリアンさま!」
「来るな!」
マクシミリアンはカトレアを制止した。
「嫌です!」
カトレアは、マクシミリアンの制止を振り切って二人の側まで近づき、同じように『エア・シールド』を唱えた。
一枚目のエア・シールドで減速した銃弾は二枚目のエア・シールドで弾かれた。
二枚重ねのエア・シールドは、辛うじて銃弾を防ぐ事が出来た。
「ひううっ! ひうううっ!」
「よしよし、ティファニア、もう大丈夫だ」
突如、降りかかった命の危険にティファニアは、マクシミリアンにしがみ付く様に泣きじゃくり、マクシミリアンは、そんなティファニアの頭を撫でて慰めた。
やがて、銃撃は止み、静寂が訪れた。
「今の攻撃は、わたし達を狙った攻撃ではありませんでしたよ」
「ああ、分かっている。大方、ティファニアを有害なエルフと勘違いしたんだろう。カト
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