機動戦士ガンダム
2287話
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月に行かないという選択肢は存在しないのだ。
「……分かりました」
渋々、本当に渋々といった感じで俺の言葉に頷くリード。
ブリッジにいる他の面々も、リードの癇癪が収まった事で取りあえず安堵し……
「では、ミライさん。指示通りにホワイトベースを月の……」
ブライトが言葉に迷い、こちらに視線を向けてくる。
どうやら、今の騒動で月の首都の名前を忘れてしまったらしい。
「クレイドルだな。月の首都。……正確にはそんな表現が相応しいのかどうかは分からないけど」
「相応しくない? それは一体、どういう意味なんだ?」
「巨大。それにつきるな。首都というよりはコロニー数個がそのまま月にあるという認識でいいと思う」
北海道以上の大きさを持つクレイドルだけに、それこそクレイドルの中でだけで別に首都があってもおかしくはないのだ。
ブライトやリードといった面々も、クレイドルの概要については知っているかもしれないが、詳細なところまでは理解していないだろう。
クレイドルに移住してきた者達の通信や手紙は、特に禁止していないのだから。
勿論、怪しい行動を取っている者の場合は量産型Wやコバッタといった面々が監視しているので、機密情報の類を送るといった事はかなり難しいのだが。
そもそも、クレイドルに入る際の手続きで大体スパイや工作員といった者達を見破る事が出来るし。
「コロニーが数個……それはとんでもないな」
ブライトの感心したような呟き。
実際、その言葉には強い興味もあった。
堅物な性格をしているんだとばかり思っていたが、意外と柔らかいところもあるのか。
まぁ、士官候補生からいきなりホワイトベースの艦長を任され、階級も中尉に上げられたとなれば、それも当然だろう。
基本的に士官学校を卒業した者に与えられる階級は少尉だが、そこから中尉になるのは簡単なものではない。
……もっとも、今はジオン軍の独立戦争が行われているので、武勲によって昇進するというのは有り得るだろうが……今回のブライトの場合は、それもまた違うしな。
「他にも海や川、山、草原。そういうのもあって、ピクニックとか出来る場所もあるな。他の世界から連れてきた、この世界にはいない動物とかが独自の生態系を作ったりしていて、それを目当てにして地球や各コロニーからクレイドルにやって来たいって学者も多い」
「それは……」
その辺の事情は知らなかったのか、ブライトだけではなくリードまでもが驚きの表情を浮かべていた。
けど、何気にそういう研究者や科学者ってのは大事なんだよな。
そういう研究者や科学者を受け入れているからこそ、MSとかに関係する技術の分野の科学者とかもクレイドルにやって来る誘引剤的な存在となっている。
「とはいえ
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