暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第6章:束の間の期間
第190話「打てる手」
[6/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
げ、優輝達は山へと入っていく。





「式姫の召喚かー」

 山菜を探して採取しながら、葵はふと呟く。

「あら、誰か会いたい式姫でもいるのかしら?」

「んー、そういう訳じゃないんだけどね」

 式姫同士でもそこまで関わりが深い訳ではない。
 全員と知り合いではあるが、葵にとってはどうしても会いたいと言う程ではなかった。

「……でも、これからの事を考えると式姫ももう何人かいて欲しいよね」

「まぁ、それもそうね。打てる手は多い方がいいもの」

 欲を言えば、江戸時代に最後まで前線に立っていた式姫がいて欲しい。
 椿と葵は、頭の片隅でそんな事も考えていた。

「………」

「……優ちゃん?」

「どうしたのかしら?」

 そんな二人を、優輝はじっと見ていた。
 その視線に気づき、椿と葵はどうしたのか尋ねる。

「一つ、式姫召喚について聞いていいか?」

「ええ、いいわよ」

「式姫の根幹となる性質は妖と同じで、幽世にいる存在を“式姫”と言う器に入れて召喚する。……その認識で間違いないな?」

「そうだね」

 式姫も妖も、元々は幽世に生息する存在だ。
 それが式姫と言う器に収まるか、妖と言う存在として現れるかの違いでしかない。

「条件さえ整えば、妖も式姫として召喚する事が出来るわ。前例もあるしね」

 優輝は知らない事だが、過去には妖だった存在が式姫になった事があった。
 妖と言う中身を浄化するなど、様々な条件が必要だったが。
 尤も、今は関係ない余談である。

「……なら、緋雪も可能か?」

「ッ……!」

 その問いに、椿と葵は目を見開いた。

「……可能かどうかで聞かれれば……可能よ」

「幽世にいて、それに別側面とはいえ守護者にもなれる程。……元々妖だった訳でもないから、面倒な条件を満たす必要もないね」

 元々妖であれば、“妖浄の水”が必要になる。
 しかし、緋雪は元々人間なため、必要なかった。

「後は型紙と……そうね、可能性を上げるために、緋雪に縁あるものがあればいいわ」

「……そうか」

 つまり、条件自体は揃っている。
 それが分かったのか、優輝は深く頷くように返事した。

「優輝、今……!」

「……なんだ?」

「……いえ、気のせいだったわ」

 その様子を見ていた椿が、何かに気付いたように声を上げる。
 葵も同じく気付いていたようで、声を上げずとも驚いていた。

「『かやちゃん、今……』」

「『ええ。今の優輝は感情を失っているはず。なのに、今のは……』」

「『うん。明らかに、感情が戻っていたよね』」

 そう。緋雪の事に関して、僅かにとは言え、優輝から感
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ