第6章:束の間の期間
第190話「打てる手」
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まぁ、僕らの事は気にするな。監視があるとはいえ、しばらくは平穏に暮らせるだろう。……君達が住む海鳴市は、一番被害が少ないからな」
海鳴市は、優輝達が元々いたため、妖の対処が一番早かった。
さらに司の結界や、士郎達のような強い住人が多いため、むしろ返り討ちにしていた。
そのため、他の地域に比べて圧倒的に被害が少なかった。
それでも、道路や家などが少しばかり壊れていたりはするが。
「だが、忘れないでくれ。地球は今、見えない脅威に晒されている。いつ、どこで何が起こるかわからない。それだけは、心に留めておいてほしい」
クロノはそう言って、話を締め括った。
連絡事項としての話は終わり、やる事があったり用がない者は退室していく。
「……ふと思ったのだけど、殉職した局員の葬儀はどうするのかしら?」
「その事か。……少しばかり先になるが、纏めて行うはずだ。ただ、どの道一度アースラも補給のために本局に戻らないといけないからな」
「なるほどね……」
椿が気になった事を聞き、クロノが答える。
アースラの動力源も無尽蔵ではない。そのために、補給も必要だったのだ。
地球組の誰もが気にしていなかったが、結構ギリギリだったりする。
「……その時になったら、出来れば呼んでくれないかしら?そこまで関わりが深かった訳ではないけれど、それでも知り合った仲だから……」
「特に、ティーダ・ランスター……だっけ?彼がいなかったら、守護者との戦いでさらに犠牲が出ていたかもしれないしね」
「分かった。確実ではないが、一応言っておこう」
ティーダとは、それなりの付き合いがあった。
さらに、ティーダのおかげで守護者を追い詰めるに至ったのだ。
実際はそこからさらに守護者は切り札を使って来たが……。
ともかく、優輝から経緯を聞いていた椿と葵は、丁重に弔おうと考えていた。
優輝も表情や口には出していないが、異論はなかった。
「それじゃあ、私達も行くわ。久しぶりにゆっくり出来そうだし」
「監視の目があるけど、だからと言って気を張る必要はないからね」
優輝達も退室する。
残ったクロノは、溜息を吐いて座っている椅子の背もたれにもたれかかった。
「……もうひと頑張り、だな」
まだまだ山積みな問題に、クロノは疲れたように呟いた。
「―――本当に、すまなかった!!」
部屋に響く、大きな謝罪の声。
場所はトレーニングルーム。謝ったのは神夜だ。
相手は、その場に集まっていた、かつて魅了を受けていた者達。
そう。神夜は、少し状況が落ち着いたのを見計らって、謝罪に回っていた。
他にも魅了を受けてい
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