三十三匹目
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ヌイ。今度はシラヌイが倒してみて?」
「いいよ」
少し離れたところのスライムが眼に入った。
「ジェネレート エアリアルカノン!」
風魔法でスライムまで真空の道を作る。
そしてその筒の中に、氷の弾を作る。
大きさは直径10センチだ。
「轟け大気の咆哮!」
筒の後ろ側を解放すると、そこから空気が流入して氷の弾を押し出す。
高速で飛翔した弾がスライムにめり込んだ。
作り出した弾に、支配権をもつ水に意識を集中する。
「バースト!」
ボッ!と音がした。
氷が一気に気体になったのだ。
球の体積と重さは半径三乗の四倍。
125×4…つまり500グラム。
水は1molで18グラム。
20としてやく25mol。
そして、1molの気体の体積は22L。
これも20と考えて500L。
体内の小さな球がいきなり500倍以上に膨らみ、スライムは粉々に飛び散った。
「わ…すごい…」
クーちゃんがキラキラした眼でこちらを見ていた。
すごく照れる。
「みにいこっか」
爆発した地点までいくと、核が地面にめり込んでいた。
「回収回収」
めりこんだ核を取り出したあと、追加で10匹くらい狩った。
昨日の雨で増えたのだろうか?
全ての核を回収し終えると、クーちゃんがうしろから寄りかかった。
「シラヌイ〜つかれたー…」
そんな事だろうと思ったよ…。
クーちゃんをお姫様抱っこする。
かなり軽い。
「じゃぁ、翔ばすからね」
背中にロボットアニメみたいなスラスターをイメージする。
「風よ風よ。地の束縛に抗う力を我に与えよ、我に空の翼を授けたまえ」
ギルドで討伐報告をした後アップルパイを買って部屋に戻るとお婆様がいた。
ミッチリ一時間正座でお説教だった。
「ツェツィーリアやトレーネには黙っておいてやろう。じゃが、もう二度と勝手に出ていくでないぞ。言えば連れていってやるゆえな」
こうして僕らは週一くらい、多いときは三回、リベレーソの外でスライム狩りをする事になった。
side out
説教がおわって。
「っく…この正座って姿勢とっても脚が痛いわ」
「でしょ?」
シラヌイは後ろに回り込むと、クーコの脚をつつき始めた。
「ぴぃっ!?」
「それそれー」
「や、やめっ! やめなさいシラヌイ! ぴぃっ!?」
「シラヌイよ。程々にするんじゃぞー」
「タマモ!?」
結局シラヌイは引き際を見誤りクーコを泣かせてしまった。
結果シラヌイ
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