暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
聖夜にシャンパンで乾杯を・2
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半分に、ニンニクはみじん切りにする。ブロッコリーは小房に分け、赤唐辛子はヘタを切り取って種を取り除いておく。

 耐熱皿にジャガイモが重ならないように並べ、ラップをしてレンジで3〜4分加熱する。一旦取り出してラップを外してブロッコリーを並べたらもう一度ラップをして、電子レンジで1分加熱する。

 小さめのフライパン(スキレットなんかオススメだぞ)にオリーブオイルとニンニクを入れ、中火にかける。ニンニクの香りが立ってきたらマッシュルーム、唐辛子、ソーセージ、チンした野菜を加えて、時々かき混ぜながら2〜3分炒めていく。この時、具材が小さく切り揃えられているのが美味しさのポイント。全体にオリーブオイルが被る位になっていると、揚げ焼きされたソーセージから旨味が出て、具材も油も味わい深くなるぞ。

 全体にこんがりと焼き色が付いたら、今回の隠し味、醤油を一回し。コレが入ると酒の肴のアヒージョが、米にも合うおかずに化ける。後は塩、胡椒で味を整えたら冷めにくいように陶器の器に盛り付けて完成。スキレットみたいな平たくて小さく、深底のフライパンならそのまま鍋敷きの上などに置いて出しても良いかもな。……実際、ウチの店ではそうやって出すしな。




「ハイよ、『ソーセージとジャガイモのアヒージョ』だ。バゲットは今軽くトーストしてるからな」

「ありがとう、熱そうね……」

 リシュリューは目の前のグツグツと煮えたぎるスキレットを覗き込んで、ゴクリと生唾を飲み込む。

「その熱いのがいいんじゃねぇか。ほれ、熱い内にパクっといきな」

 俺に促されて決意を固めたのか、フォークをジャガイモに突き刺してフゥフゥと息を吹きかけてから口の中に放り込む。

「あふっ!……あひ、あひ、あひ」

 やっぱ熱い時のリアクションってのは万国共通、ハフハフするんだな。すかさず早霜が冷えたシャンパンをグラスに注いで手渡す。それをグイッと飲み干したリシュリューは、安堵の溜め息を吐き出した。

「ふぅ……ちょっと、これはあまりに熱すぎるんじゃないかしら!?」

「バカ言え、この手の料理は熱い内に食うから美味いんだ。冷めた鍋なんて虚しさの象徴みたいなモンだぞ?」

「ふん!……まぁ、美味しいのは認めてあげるわ」

 その後も熱い熱いと文句を言いながらも、食べる手は休まらないフランスのプライドの高いお嬢様を眺めつつ、ゆったりとした時間が流れていく。たまにはこんな静かなクリスマスも、悪くねぇさ。
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