三十二匹目
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手裏剣を創ってみた。
創ったはいいが問題が一つ。
「メッサー。これどうやってなげよう」
地面にデン! と置かれたでっかい手裏剣。
「私に聞かれましても…」
しょうがない。刃を潰そう。
一ヶ所刃を潰して、ソコを両手で持つ。
「ふぬぬぬ………うきゅ…おもい……。魔力強化」
全身に魔力を行き渡らせて無理矢理筋力を上げる。
「御坊っちゃま。無理をなされない方が…」
「大丈夫余裕余裕」
両手で大型手裏剣をぶん投げた。
が、重さで斜めになってしまった。
「あ、まずい!」
あらぬ方向へ飛んでいく手裏剣。
このままではお婆様の盆栽が!
と思った瞬間だった。
「これ、はしゃぎすぎじゃ阿呆」
という声が後ろから聞こえた。
パチン! と指パッチンの軽い音がしたかと思えば、お婆様が手裏剣を掴んで僕の後ろに立っていた。
「お、お婆様? い、いつから?」
気配はまったくしなかったのに!
「お主が手裏剣ではしゃぎ始めたときからかのぅ」
かなり最初じゃん?
「まったく…盆栽の近くで暴れおってからに…。
儂が盆栽を心配していたら案の定じゃったな」
「タマモ様がご心配されていたのはおぼっ…あだだだだ!?いたっ痛いですタマモ様っ! っていうか当たってます当たってます!」
何か言いかけたメッサーがお婆様にヘッドロックされている。
うらやまけしからん。
あ、でもお婆様だったら胸より尻尾かも。
「ええい! お主もお主じゃメッサー! 何で止めぬのじゃ!」
「タマモ様照れ隠しならやめっ…」
「シラヌイ!」
「は、はい!」
「手裏剣をやるのは良いがきちんとコントロールしろ! よいな!」
「はい!」
お婆様はメッサーをヘッドロックしながら何処かへつれていった。
「……………寝よ」
side out
シラヌイが昼寝から起き、廊下に出るとメッサーとばったりあった。
「やくとくだったなメッサー!」
「酷い眼にあいました…」
「エナジードレイン?」
「ええ…まぁ…」
「ヘッドロックのまま?」
「はい…」
「んー…。でも精力は増えたでしょ?」
「御坊っちゃま!」
「メッサーがおこったー! きゃははは!」
とたとたとたとた、とシラヌイが駆けていく。
メッサーはシラヌイの言った事を思い出した。
「…………………………………………やわらかかった」
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