第二話ダンジョンの洗礼
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う侍は飛翔の師であるまひと様と専属契約を結んでいたので、飛翔の出る幕はなかった。
「ええい。武器にするか、そのまま売るかは地上に戻ってから考えよう今はダンジョンにいるのだ」
考え事をやめた飛翔はダンジョンの中をモンスターを求めて歩くのだった。
☆
「ふう〜」
あれからモンスターを三体ほど倒した飛翔は、地面に並んでいる
人が座れそうな鉱石があったので
そこに座って休息をすることにした。
既にダンジョンに入って四時間が経っている。
座っている飛翔は大量の汗をかいており、息も乱れていた。
レベル2の冒険者がソロで中層にいるのだ。
疲労困憊にならないのがおかしい
というより生きているのがおかしい。
モンスターが産まれるダンジョンでの休憩。
ソロのレベル2の冒険者にとっては
難事ではあるが、ここで少しでも回復しておかないと、この先の攻略は不可能なのでやむを得ない。
「ふう休む前に、出しとかないとな
二つ身」
石に座っていた飛翔が、眼をつぶり念じる。
すると飛翔の体が光りだした。
その光がしばらくして収まると
そこにもう一人の飛翔が現れる。
その飛翔は着ている物こそ一緒だが、武器や防具は持っていない丸腰だ。
「本体御用は?」
光の中から現れたもう一人の飛翔は
石の上に座って休息している
飛翔の前にかしずく。
「疲労が酷いので、休みたいので
その間見張りを頼む。
モンスターが現れたら、この武器を使って蹴散らしてくれ。
30分寝る」
飛翔はそう言うと自分が腰に差していた短い方の脇差と、そばに置いている腰に巻いている鞄から、一本のナイフの2つの刃物を差し出す。
「承知しました。
30分と言わず一時間でもお休みください」
石の上に座っている本体と呼ぶ飛翔から、二つの得物をうやうやしく
もう一人の飛翔が受け取る。
「魔剣と愛刀を貸して頂けるとは光栄です」
もう一人の飛翔は鞘から脇差しを
抜きその刀をよく見て感心する。
「魔剣と言っても、安物の刀と一緒にかごにぶちこまれていたのを
たまたま見つけて買ったものだ。
そんなに良い品物ではない。
脇差はまひと先生が打った物だが
脇差である以上リーチが短い
油断するな。
後魅力的な提案だが、気づいたら
棺桶の中だったでは、笑えないので
30分だけでいい。
頼んだぞ」
「お任せください」
石の上に座っている飛翔がそう頼むと彼は手元に残した刀を両手で抱えながら座ったまま眠りにつく。
もう一人の飛翔が本体と呼ぶ飛翔が
眠りについたのを確認すると、
魔剣と脇差しをそれぞれ両手に持つと眠る本体の飛翔の前に仁王立ちした。
この摩訶不思議な現象は日下飛翔ルーガーのスキルによるものだ。
スキルの名は二
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