十九 開演のブザーが鳴る
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っていないか現場を見て来てくれないか、と言うテマリの指示に従い、部下達が森の奥へ向かう。
自分達と同じ砂の忍びであり行方知らずだった由良について、テマリがいきなり話し出した事で困惑したカンクロウが眉間に皺を寄せた。
「どういうことじゃん?」
「どうもこうも…聞いた通りだよ。アイツは自爆した。私達を殺そうとして」
由良の最期が脳裏に過ぎって、テマリは深い溜息をつく。
デイダラと対戦していた矢先に現れた由良は明らかに『暁』の味方だった。
追い詰めて口を割らそうとしたところ、自爆してしまったのである。
「おそらく由良が里に手引きした張本人だろう」
「周囲からの信頼も厚かった、あの由良が…」
由良がスパイだったという事実にショックを受けるも、気を取り直したカンクロウとテマリは、我愛羅の許へ急ぐ。
ヒナタも、ナルの無事な様子と、いの達の姿を見て、胸の前で手を組んでほっと安堵の息をついた。
「よかった…ナルちゃん…」
「な〜にが後々まで残ってゆく永久の美だ」
由良が爆発した現場。
大きなクレーターが穿たれたその場で、デイダラはサソリに対してブツブツ文句を連ねる。
己自身も我愛羅を奪い返された身でありながらも、いのとチヨが五体満足でナルの許へ来たのを遠くから確認した彼は、サソリが死んだと思い込んで、鼻で嗤った。
「だいたい、弱点丸出しの造形はつくづく自信過剰だと思ってたぜ、うん」
「やかましい。ぶっ殺すぞ」
瞬間、背後から放たれた殺気と声に、デイダラはひくりと唇を引き攣らせる。
おそるおそる振り返ると、憤慨したサソリがじとりと睨んでいた。
「あらら〜…」と自分の発言が聞かれていたと察して、デイダラは視線を彷徨わせた後「旦那、生きてたんだな、うん!」と調子の良い言葉を続ける。
「あんな小娘とババアにやられるとは思ってなかったぜ、うん!」
「嘘つけ。さっきまで思ってただろーが」
愛想笑いを浮かべるデイダラを睨んで、サソリは木の下を覗き込む。
大きな穴が穿たれている掘り返された地面を見て取って、チッと舌打ちした。
「デイダラ…てめぇ、俺の部下の由良を使いやがったな」
「いや、アイツが勝手に足止めしてくれたんだぜ、うん!まぁ旦那の部下だけあって、なかなか良いヤツだったぜ」
しみじみと由良を高評価するデイダラに、サソリは今一度、大きく舌打ちした。
「なんでよりによって自爆しやがったんだ…!」
「いや〜やっぱ芸術は爆発だよなぁ〜!旦那の部下はよくわかってるぜ!!」
爆死を大いに評価したデイダラが、うんうんと嬉しげに頷くと
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