機動戦士ガンダム
2281話
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真面目な性格のブライトの好みではないような気がする。
もっとも、それを正面から向かって言えば、ブライトの性格上どのように反論してくるのかは、大体想像出来るのだが。
そのように思いつつ、少しの間世間話を進め……そんな中、不意に扉がノックされる音が聞こえてきた。
そのノックの音に、先程まで上機嫌だったシーマの表情が不愉快そうに歪められ、口を開く。
「入りな」
「失礼します! リード大尉、出頭しました!」
そう言い、部屋の中に入ってきたのは1人の男だった。
リードと、そう名乗ったのを見る限り、この男がシーマの言っていた、新たにホワイトベースに乗り込む事になった人物なのだろう。
シーマにはきちんと敬礼しつつ、一瞬だけこちらに視線を向けてくる。
その一瞬の間にリードの目に浮かんだのは、こちらを値踏みする色、そして自分の方が立場が上だと確信する色。最終的にはこちらを見下す色。
一瞬、ほんの一瞬にしてその表情が変わるその様子は、いっそ見事と言ってもいい。
この辺りが、シーマに小物と呼ばれている理由なんだろうな。
もっとも、本人がそれをどう思っているのかは、分からないが。
「ブライト中尉と民間協力者のアムロ、そしてイザークだ。ホワイトベースの中でも艦長とエースパイロット2人と言ってもいい。特にイザークはあの赤い彗星のシャアと互角にやり合えるだけの実力を持っている」
「なっ!?」
シーマの説明に、リードは俺の方を見て驚愕の視線を向けてくる。
まぁ、シャア・アズナブルはジオン軍の中でも大々的にプロパガンダで放送されているエースだ。
しかも、いわゆる虚構のエースという訳ではなく、一週間戦争やルウム戦役、それ以降の戦いでも数多くの活躍をしてきた、本物のエースと言ってもいい。
特に、何だかんだとジオン軍から多くのエース級がルナ・ジオンに行ってしまった為に、ジオン軍にいるエースの数は相対的に減ってしまった。
そんな中で、シャアは本物のエースと言える。
……実際には、ジオン・ズム・ダイクンの息子で、ザビ家にとっては抹殺対象と言ってもいいような相手なんだが。
だが、シャアとキャスバルが同一人物だと知らないジオン軍では、エースとして活躍出来ている訳だ、
ともあれ、そんな本物の実力者を相手にして互角に戦えると言われたのだから、リードが驚くのも当然だし……そに目の中に、俺を利用して何らかの利益を得ようという打算が浮かんだのも当然の事だった。もっとも……
「そうそう、言い忘れてたけど、イザークはルナ・ジオンの人間だ。今回は偶然サイド7にいたから協力しているだけで、別に連邦軍の人間って訳じゃない。それは覚えておくんだね」
シーマの口からそんな言葉が出ると、一瞬にしてリードの目は絶望に染まるが
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