変革のラストナイト
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管がイカレてしまい、立とうとしても足に力が入らずに再度転倒してしまう。それどころか吐き気もすさまじく……、
「う、うぼぇえええ!!!??」
我慢できず本当に吐いてしまった。吐しゃ物には血も混じっており、どうやら胃が破裂していたらしい。頭はグロッキーで、身体はズタボロ、もはや意識さえ遠くに飛びかけており、起きろ起きろと必死に念じても馬の耳に念仏、焼け石に水も同然だった。
「は、はやてちゃ……! くはっ!?」
急いで治癒魔法をかけようとしたシャマルだが、彼女は詠唱の途中でアルビオンの回し蹴りを受けて吹っ飛ばされてしまう。回復のスキなんて、アルビオンが見逃すはずがない。倒せる内に敵を倒す、そこに良心の呵責は存在しない。ましてや相手が仇の一人なら、なおさらだろう。
「闇の書の守護騎士だろうと、八神家だろうと、勝敗は覆らなかったな」
「ハァ……ハァ……! ……ま……だ……終わ……な…………」
だがその言葉に反し、私の意識は段々闇に沈んでいく。負けるわけにはいかない戦いなのに、私の力は及ばなかった。彼らの報復心に、私は太刀打ちできなかった……。
「うっ……」
アルビオンに首を掴まれ、身体ごと持ち上げられる。血も大量に失って、気道を塞がれたせいで脳に酸素が行かず、身体の生命力が尽きようとしていた。
「八神はやて、お前の意思はその程度か? やる気があるのか?」
「ぐ……がぁ……!」
「どうした? 抵抗しなければこのまま首をへし折るぞ!」
「い……、い……」
「ん? なんだ? 聞こえないな!」
「い、や……だ……」
「ふん、ならば足掻いてみせろ」
瞬間、首を掴む力が強まったと同時に脇腹へダンプカーが衝突したかのような衝撃が加わる。一発で肺の中の空気が全部吐き出される膝蹴りを受け、生命の危機から反射的に体が呼吸を求める。
吹っ飛ばないように首を掴んでいた手を外したアルビオンだが、私は私でその場にうずくまり、気管支が乾くほど激しく息を吸って凄まじい頭痛に襲われてしまう。
「げほっ!? ごはっ!?」
「ほら、お前はまだ負けたくないのだろう? ならさっさと立て、倒れてないで足掻いてみせろ。何度立ち上がろうと、私が再起不能になるまでねじ伏せてやる。さあ、早く立つがいい」
「こひゅ……かは!?」
この時、まともに声が出せない私の中で何かが壊れた。そこからあふれてきたのは、黒一色の感情。生命体ならば誰もが持つ原始的な感情……恐怖だった。その恐怖は瞬く間に私の全身に広がっていき、頭上にいるアルビオンの赤い目が視界に入るだけで震えが止まらなくなるほどだった。
「あ、あぁ……!!」
恐怖に囚われた私は青ざめた顔で歯をガチガチ鳴らして震え、力の入らない身で後ず
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