変革のラストナイト
[3/32]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だが驚いたことにアルビオンの剣は守護獣の防御魔法でも短時間しか耐えきれず、ザフィーラの腕もろとも完全に切り裂いてしまう。シャマルは恐怖の面持ちでアルビオンの追撃が迫りくるのを目の当たりにしたが、私が横から割り入ってシュベルトクロイツで彼の剣を弾き、シャマルが斬られることは辛うじて避けられた。
「シャマル、私に支援魔法全乗せ!」
「は、はい!」
治癒、身体強化を中心的にかけてもらった私は、我ながら無謀だったがアルビオンに突貫、真剣勝負に持ち込んだ。
「らぁぁあああああああ!!」
残る全エナジーをフル稼働させ、強引にリフレックス・モードを継続、身体の筋肉や骨、脳が悲鳴を上げるのを無視してアルビオンに必死に食らいつく。ダブルセイバーの一閃を受けて吹っ飛ばされても、体術を喰らって全身が壁や床にめり込んでも、大量の魔力を飛行魔法や身体強化魔法に無理やり注ぐことで強引に体を動かし、戦闘を再開させている。データとはいえビル群を腕力だけで薙ぎ払うアルビオン相手にタイマンを挑んでる以上、支援魔法込みであろうと私の体にはとてつもない負荷がかかっており、その影響は徐々に表れつつあった。
……ブシュッ!
「っ!? ……ま、まだまだぁああああ!!!」
鼻血が噴き出て、目元からは血涙が流れて視界も赤くなり、意識さえおぼろげになってきて……それでも敵の姿だけは決して見逃さずに、腕を振るい続けた。シャマルが壊れた細胞や筋肉、骨を片っ端から治してくれるが、それ以上に私の体が崩壊していく速度の方が早かった。文字通り破滅までのタイムリミット、それに待ったをかけたのは……、
ミシミシ……バキンッ!
「えっ」
シュベルトクロイツが折れる音だった。ファーヴニル戦からずっと使ってきたデバイスが真っ二つにへし折れ、先端部のある方が彼方へはじけ飛んでしまう。しかし問題はそこではない。
本当ならシュベルトクロイツにはアルビオンの剣を受け止めてもらわなくてはならなかった。だがそれが壊れたことで、彼の剣は何の障害も無く私に迫ってくる。
ズシャッ!!
「―――ッ!!!!」
斬られた。
真正面から、袈裟斬りにされた。
脳が激痛を麻痺させているからか半ば呆然とした意識で、私は徐に傷跡に手を当てる。
ぴちゃり。
湿った音がして、ぬめりとした血がこびりついた。
「あ……ア……」
致命傷を自覚したのと同時に、アルビオンが追い打ちをかけるように私の顔面に左ストレートを放つ。メキメキっと嫌な音がした直後、私の体はシュートされたボールのように後方へ吹っ飛び、間にあったビルを勢いだけで貫いて壁に叩きつけられてしまう。
「ふ……が……」
鼻血も大量に吹き出し、今までの度重なるダメージの影響もあって三半規
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ