第76話
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フォートガードに戻ったリィン達はユーシスとパトリックの権限でカイエン公爵家城館の会議室の一角を借り、パトリックを交えて情報交換をしていた。
午後12:30―――
〜フォートガード・カイエン公爵家第二城館〜
「えっと………ちょっと整理させてください。西のカイエン公爵家に東のアルバレア侯爵家…………そして、北のログナー侯爵家に南のハイアームズ侯爵家を合わせたのがエレボニアの”四大名門”でしたよね?」
「ええ、エレボニア貴族の筆頭とも言える伝統的な四家ですわ。」
「ふふ、ここに既に四家のうちの公子と当主が揃っている訳ですね。」
「公子はパトリックさんで当主はユーシスさんね。」
「まあ、僕は侯爵家の三男で会議の世話役に過ぎないが…………ここにいるユーシスは正に筆頭出席者の一人になるな。」
ミュゼとゲルドの言葉に苦笑したパトリックはユーシスに視線を向けた。
「フン、俺はなし崩し的な流れで当主になったようなものだがな。ログナー侯は出席を辞退され、ユーディット皇妃陛下とキュア嬢はクロスベル所属の為、クロスベルによるエレボニアへの内政干渉が疑われない為にも余程の事情がない限り出席は辞退されるとの事だ。今年も去年に引き続き、四大が揃わない事になるだろう。」
「そうか…………」
「…………事情が事情とはいえ、一抹の不安がありますね。」
「…………?どうして…………?」
「それは…………」
ユーシス達の話を聞いて疑問を感じたユウナの言葉にクルトが複雑そうな表情で答えを濁したその時
「クク、正直に言っちまえよ。このままじゃ近い将来、エレボニアからは貴族が消えちまうからだってな。」
事情を察したアッシュが不敵な笑みを浮かべて指摘した。
「え………」
「貴族が消える…………?」
「……………………」
「あはは…………正直なお兄さんだなー。」
アッシュの指摘にユウナが呆け、ゲルドが首を傾げている中セレーネは何も反論せず目を伏せて黙り込み、ミリアムは苦笑していた。
「…………耳に痛いがその通りだ。サザ―ラントでも感じただろうがここフォートガードや、東のクロイツェンでも中央政府の圧力は高まる一方だ。加えて先月に発表された『七大都市構想』…………既存の税制度を完全に破壊する気だろう。」
「…………確かにエレボニアは変わらざるを得ないんだろう。だが、急激すぎる社会変革は歪みと軋轢を生むのも確かだ。貴族が手放した領地を大企業が買収し、領民が立ち退きを迫られている例もある。」
「そういえばこの街でも似たような話を聞いたような………」
「ある意味、中央政府としては合理的なのかもしれませんが…………」
「…………それでもさすがに
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