第76話
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リアムとアルティナが考え込んでいる中ゲルドが呟いた言葉を聞いたセレーネは紫の猟兵達との出来事を思い返していた。
「いずれにせよ、あの方々の”行き先”は気になりますわね。丘陵地帯の東の向こうへ去ってらっしゃいましたけど。」
「ま、まさか第Uの演習地とか?」
「いや…………方向が違うな。」
ミュゼの話を聞いてある事を察したユウナの推測にクルトは静かな表情で答えた。そしてリィン達は再び机に広げたフォートガード地方の地図を確認した。
「うーん、こうしてみると何も無さそうな方向だよね。川沿いに移動しても峡谷にブチ当たるだけみたいだし。」
「…………ふむ、むしろそこが目的地かもしれんな。”竜”なる相手が陣取っている場所があるなら。」
「…………奇襲を仕掛けるためか。」
「確かに、あり得そうな話だな。」
「そこに行けば紫の猟兵達の目的や正体もそうですが、”竜”なる相手の目的や正体についても何かわかるかもしれませんわね。」
「――――教官、午後からはラクウェルって街ですよね!?朝、ちょうど列車で通り過ぎた何とかっていう峡谷地帯にある!」
リィンとセレーネがユーシスとパトリックと話し合っているとユウナが表情を引き締めて訊ねた。
「”ランドック峡谷”です。ですが、丁度よさそうですね。」
「ああ、まさに一石二鳥だろう。」
「ハッ…………あの周辺だったらそれなりにアタリは付くぜ?」
「ふふ、アッシュさんにとっては自分の庭という所でしょうか?」
「さっきはミュゼの案内だったから次はアッシュの番という事ね。」
「ふう………やれやれ。」
「フフ、積極的なのは何よりではありませんか。」
「ああ…………何とも頼もしいじゃないか。」
それぞれ意気込んでいる生徒達の様子にリィンとセレーネ、パトリックは苦笑していた。
「フッ、ならばそちらの方はお前達に任せても良さそうだな。」
「ああ、演習地にも連絡してから向かうことにするさ。」
「うーん、それだったらボクも付き合おっかなー?ミーアークーガーのカルテットをまた復活させてもいいしね!」
「それはお断りします。」
ミリアムとアルティナのいつものマイペースにリィン達は冷や汗をかいて苦笑した。
こうしてリィン達はサンドイッチや紅茶といった簡単なランチをご馳走になり―――ユーシスやパトリックたちに暇を告げるのだった。
〜玄関ホール〜
「は〜、さっき通った時も思いましたけど…………エレボニアの大貴族ってほんとお金持ちなんですね…………ここってユーディット皇妃陛下とキュアさんの実家―――カイエン公爵家の臨時用の城館なんですよね?臨時用でこの規模だったら、本宅は
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