第75話
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いた着物といい、多彩な趣味でいらっしゃるんですね。」
「フフ、隠居してからは少々暇を持て余し気味なのでね。海港都市ゆえ、遠い船来の品がそれなりに届くというのもある。」
「ふふ、狭い家ですのに物ばかり増えて困っていますけど。」
「せ、狭い家ですか……」
「普通の家よりも十分大きいと思うけど……」
シュザンヌ夫人の話にセレーネは苦笑し、ゲルドは首を傾げて周囲を見回した。
「まあまあ、お祖父さまの数少ない楽しみの一つですから。」
「まあ、折角こうして来てくれたのだ。どうか遠慮せず寛いで欲しい。――――生憎、猟兵団については教えられる情報は持っていないが。」
「な…………!?」
「どうしてそれを……?」
自分達が猟兵団についての情報を探っている事をイーグレット伯爵が察している事にクルトは驚き、アルティナは目を丸くして訊ねた。
「なに、新海上要塞に寄ったと聞いてね。近頃のエレボニア西部の情勢や今の時期に諸君らが来るという状況を合わせてカマを掛けてみたのだよ。」
「ふふっ、お祖父様ったら。」
「ハッ、孫が孫ならっつーか……隠居を決め込んでる割にはなかなか鼻が利く爺さんだな?」
イーグレット伯爵が説明した理由を知ったリィン達が冷や汗をかいている中ミュゼは苦笑し、アッシュは呆れた表情を浮かべた後意味ありげな笑みを浮かべてイーグレット伯爵を見つめた。
「ちょ、ちょっとアッシュ!」
(………イーグレット伯……さすがは先々代カイエン公の相談役を務めていただけはあるというか。)
(そうですわよね……先々代カイエン公の件で気になりましたけど……もしかしたら、イーグレット伯はユーディット皇妃陛下達とも知り合いの可能性はあるかもしれませんわね。)
(ああ。先代カイエン公はイーグレット伯の干渉を嫌ってイーグレット伯を相談役から外したとの事だが……先代カイエン公が亡くなった事で、ユーディット皇妃陛下達と連絡を取っている可能性は十分に考えられるな。)
「ふふ、隠居してもなお、色々と噂は聞こえてくるのでな。個人的にはかの”灰色の騎士”どのにお会いできて光栄だ。孫娘のことを思えば、今後も末長い付き合いになるやもしれぬしな。」
「ふふ、いやですわ、お祖父様ったら♪」
遠回しにリィンがミュゼの将来の夫になる可能性がある事を指摘するイーグレット伯爵の言葉にミュゼが嬉しそうな様子で微笑んでいる中リィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「いや、それは…………」
「確かにこの祖父にして、ですね。」
「うん、二人ともとても似ているわ。」
「ていうかミュゼ、手紙かなんかで絶対に仕込んでるでしょ!?」
「もう、ミュゼもあなたも、
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