第74話
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6月16日、午後7:00――――
〜第U分校・分校専用列車停車駅〜
演習地出発の夜、教官陣や生徒達が分校専用の駅構内で出発の準備をし終えてリアンヌ分校長達を待っていると、見送りの為に現れたシュミット博士達と共に現れたリアンヌ分校長がいつものように演習地に向かう教官陣、生徒達に激励の言葉を送り始めた。
「――――前置きは止めておきます。特別演習も既に3回目、クラスの再編成もあったばかり。先月の特別演習ではヴァイスハイト皇帝陛下達からの厚意で工匠達によるそれぞれ専用の武装が下贈され、機甲兵も上位機が補充され、十分な”戦力”を備えるに至りました。―――しかしトールズ本校はその上を行くと予想されます。ちなみに本日、時を同じくして初の”特別演習”に向かうとの事です。」
リアンヌ分校長の口から出た驚愕の事実に生徒達はそれぞれ血相を変えた。
「ちなみに彼らの初の演習地は本土より離れた”ノーザンブリア州”。現在、名高き”紅き翼”カレイジャスで向かっているとの事です。」
「カ、カレイジャスやと……!?」
「カレイジャスって、確か先月の特別演習の”三帝国交流会”で現れたあの紅い船の事よね…………?」
「うん…………オリヴァルト皇子が建造された皇室専用の巡洋艦…………」
「そしてかの”光の剣匠”が艦長を務められているという…………」
「…………」
リアンヌ分校長の説明に生徒達がそれぞれ様々な反応を見せている中故郷がノーザンブリア州であるヴァレリーは呆けた表情をしていた。
翼をもがれ、剣も喪ったが心の銃と薔薇は失くしていない。
(『翼をもがれた』…………そういう事だったのか。それもノーザンブリアとは………)
(お兄様…………)
クロスベルでのヴァイス達に向けたオリヴァルト皇子の言葉をふと思い返したリィンをセレーネは心配そうな表情で見つめた。
「ですが、捨石同然だった第Uも成果を評価されつつあります。ならばここからが本番、更なる力と意地を示す時でしょう。傾きつつある貴族派、新たなる最大の本拠地での特別演習―――貴方達の健闘、奮闘を期待します!」
「イエス・マム!」
リアンヌ分校長の激励の言葉に力強く答えた生徒達はリィン達教官陣と共にデアフリンガー号に乗り込み、新たなる特別演習の地へと向かい始めた。
「どうか気を付けて…………!」
「みんな、頑張ってくるんやで〜っ!!」
「それで…………”見込み”はどのくらいだ?連中の『幻焔計画』―――奪還のための第三の実験は。」
リンデ達がそれぞれデアフリンガー号を見送っている中シュミット博士はリアンヌ分校長に訊ねた。
「フフ……五分五分でしょう。しかも恐らく私が”出陣ざるを得ない人物達”が現れる可能性は
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