三十一匹目
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っかクーちゃん」
シラヌイはバングルを着けた後、クーコの手を引いて歩き出した。
「あぅ…………」
同年代の異性に手を握られ、クーコは顔を赤くする。
ませている、というよりは母と祖母の教育のせいであろう。
シラヌイは迷う事なく中庭からタマモの執務室までたどり着いた。
途中会った使用人や貴族達はクーコの姿とシラヌイの黄金の耳と尻尾を見るなり最敬礼をし、咎める者は居なかった。
シラヌイがドアを指で叩く、ドアノッカーはあるが、シラヌイでは手が届かないのだ。
「お婆様、シラヌイです。一つお願いがあって参りました」
「おお! シラヌイ! はよう入れ!」
シラヌイが背を伸ばし、ドアノブを捻る。
そこは西洋式の城には似合わぬ和室だった。
タマモはその中央に卓を置き、座布団に正座して書類を処理していた。
「おや、クー、どうしたのじゃ?」
タマモはシラヌイの後ろのクーコを見て尋ねた。
「お婆様、僕の魔法の勉強にクーちゃんも加えてあげたいんです」
「ふむ…儂は構わんが……。ツェツィーリアとトレーネに聞いてみるかのぅ…。
待っておれ、儂が聞いてくるでな」
タマモが立ち上がり、豊満な胸と飛び込みたくなる尻尾が揺れる。
「書類には触るなよシラヌイ、クー。あとクー、この部屋に入るなら靴を脱ぐんじゃ」
「はい、タマモ様」
二人が靴を脱いで和室に入る。
「座布団はそこの押し入れに入っておる。使うなら勝手に出せ」
そう言ってタマモは二人を部屋に残して出ていった。
「シラヌイ、尻尾触らせてちょうだい」
「んー…クッション出すから待って」
シラヌイは指示された押し入れを開け、座布団を取り出す。
「変わったクッションね」
「コレは座布団っていう物で、この畳の部屋専用のクッションだよ。
あとウィットに富んだ発言で数が増えて十枚集めると景品があるよ」
「?」
「遠い国の祭りのイベントだよ」
シラヌイは座布団を二つ並べて置いた。
「アニマ……あれ、フォクシネイトだっけ? まぁどっちでもいいや。アニマライズ」
シラヌイは座布団の上で子狐になり丸くなった。
「きゅー」
「触ってもいいのよね?」
「きゅ!」
クーコは隣の座布団に座ると、シラヌイの大きな尻尾を触り始めた。
モフモフモフモフモフモフモフモフ……。
四半刻程でタマモが戻ってきた。
「シラヌイー、クー。ツェツィーリアとトレーネに話をつけて……なんじゃ寝ておるのか」
タマモが眠る二人の傍に腰をおろす。
「小さいのぅ…」
クーコはシラヌイを抱
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