第三十七幕:未来を写す虹?
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っ!」
七夏「いえ」
時崎「ふたりか・・・凄いね!」
七夏「そんなことは・・・」
七夏ちゃんが、どのような気持ちだったのか興味はとてもあるけど、七夏ちゃんの表情は複雑だ。
時崎「告白されて、嬉しくなかったの?」
七夏「えっと、あんまり・・・」
時崎「え!?」
七夏「私、相手の事をよく分かってませんから、分からなくて」
時崎「???」
七夏「お話した事が無いのに、どおして、私の事が好きって言えるのかな?」
時崎「それは・・・」
・・・それは、七夏ちゃんの容姿や仕草というような外見的要素、或いは一目惚れという事になるだろうか。だけど、七夏ちゃんは、そういうタイプではないという事か・・・いや、今までの七夏ちゃんを見ていれば分かる事、分かってなくてはならない事だ。
七夏「私、相手の心が分からないのに、好きって言える自信はありません」
時崎「す、少しずつ分かってゆけば・・・」
七夏「そうなってからの方がいいかな?」
時崎「え!?」
七夏「こ、告白・・・」
時崎「あっ!」
七夏「えっと、お互いの心が分かってからじゃないと・・・分かってない状態でお付き合いしちゃうと、色々と大変・・・かな」
時崎「そ、そう・・・だね・・・」
これは驚いた。のんびりさんの七夏ちゃんから、芯のある答え。軽い気持ちで七夏ちゃんに想いを伝えても、届かないという事だけは分かった。民宿育ちで色々な人と出逢っている七夏ちゃん。俺なんかよりも遥かに多くの人の心を見てきている事だけは確かだ。
七夏「お互いに相手の心が通じ合っている事が分からないと、この先も上手くゆかないと思ってます☆」
なるほど。相手の心も分からない状態で一方的に想いをぶつけても、上手くはゆかないという事か。
時崎「俺なんて・・・」
七夏「え!?」
時崎「なんでもない! で、そのふたりとは?」
七夏「どう・・・なのかな?」
時崎「え!? そこで、はぐらかしますか!?」
七夏「くすっ☆」
・・・でも、七夏ちゃんの心がある程度見える人は、はぐらかされても答えは分かる。七夏ちゃんにとって大切な事は、そういう事なのだろう。七夏ちゃんは、絶対分からない事と簡単に分かる事は答えてくれる。だけど、少し考えれば分かる事や、相手の事を知っていれば分かる事はすぐに答えてくれない。ここまで辿り着けたのは、大きな進歩だと思う。
時崎「ありがとう。七夏ちゃん」
七夏「はい☆」
駅前の商店街に着く。
時崎「本屋さん寄ってく?」
七夏「本屋さん寄ってもいいかな?」
ほぼ同時に話した。
時崎「あっ・・・と」
七夏「くすっ☆」
書店で七夏ちゃんは小説コーナーを見にゆくのかと思ったら、そうではなく、子供の科学のような本を眺めている。
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