第三十七幕:未来を写す虹?
[7/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
から見た凪咲さんや直弥さんの事だろう。だけど、凪咲さんや直弥さんは、七夏ちゃんと出逢えて本当に良かったと思っている事は絶対に間違いない! 七夏ちゃん自身がどう思っているかだけの事だ。
時崎「七夏ちゃんは、生まれてきて、良かったと思ってないの?」
七夏「え!?」
時崎「俺は、七夏ちゃんと出逢えた事、とても良かったと思ってるよ」
七夏「私、良かったと思ってます☆」
時崎「良かった」
平静を装っているが、俺の心は激しく揺さぶられている。七夏ちゃんが、迷う事無く、すぐに「良かった」と答えてくれた事に安堵する。しかし、答えるのが速すぎた為か、敢えて・・・だろうか。七夏ちゃんは、単に「良かった」と応えてくれたが、その真意はどちらなのか、俺は気になった。
七夏「くすっ☆ 柚樹さん、さっきの続きですけど、もし、私が子供を授かったら、男の子と女の子、どっちがいいですか?」
時崎「んなっ!」
七夏ちゃんは、さらに切り込んできた。質問の内容は定番と言えるが、どう答えるかは難しい。一番無難な答えは「どっちでもいい。元気に生まれてきてほしい」という事になるだろう。しかし、この答えでは、七夏ちゃんの質問に正確に答えられてはいない・・・はぐらかしている事になる。七夏ちゃんが思っている答えは「無難な答え」だろう。つまり、七夏ちゃんの質問こそが、七夏ちゃんの意思であるという事。だから、より具体的な答えを求めて、俺に訊いてきているのだと思う。俺は答えた。
時崎「女の子かな」
七夏「くすっ☆ どおして女の子が、いいのかな?」
−−−来たっ! この質問の、もっとも難しい所である。単純に男の子、女の子と、答えるのは簡単だ。大切なのは何故か・・・という理由の方である。男の子を選んだ場合は、「一緒にキャッチボールしたい」とか「女の子はお嫁さんになってしまうから」とか、そんなところだろうか・・・。俺が七夏ちゃんに答えたのは「女の子」の方だ。選んだ以上は、七夏ちゃんも喜んでくれる答えを、話さなければならない。
時崎「七夏ちゃん、優しくて、とても可愛いから!」
七夏「えっ!?」
時崎「そんな七夏ちゃんから、生まれてくる女の子だよ。優しくて可愛いに決まってる!」
七夏「あ・・・」
・・・使ってしまった「可愛い」という言葉を・・・。でも、俺の答えに七夏ちゃんは、予想していなかったという驚きの表情。そして、その驚きの後から嬉しさが、込み上がってきたようだ。
七夏「あ、ありがとう・・・です☆」
七夏ちゃんの質問に、まっすぐ答えることが出来たみたいで、ほっとする。しかし、七夏ちゃんの子供とは・・・。まだ、想像すらできないな・・・その前に、幼い頃の七夏ちゃんに逢う事が出来れば、少しは分かるのかな・・・なんて、考えてしまった。
七夏「柚樹さ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ