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翠碧色の虹
第三十七幕:未来を写す虹?
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かわれてしまった。けど、楽しそうな七夏ちゃんを見ていると、それも悪くないなと思ってしまう。しかし、からかわれて、このままっていうのも少し悔しい。

時崎「七夏ちゃん! 笛のラムネあげるから、手を出して!」
七夏「は、はい☆」

七夏ちゃんは、右手を差し出してきた。右手の下に左手を添えているあたり、七夏ちゃんらしいなと思う。俺は、手を差し出してきた七夏ちゃんの右手の薬指に、指輪を付けてあげた。

七夏「あっ・・・」
時崎「七夏ちゃんに言われたとおり、指に付けてみたよ!」
七夏「・・・・・」
時崎「うんうん。やっぱり、指輪は女の子が付けてこそ・・・より輝くよねっ!」
七夏「・・・・・」

俺は、七夏ちゃんから、からかわれた分を、お返しする軽い気持ちだった。けど、七夏ちゃんは黙り込んでしまっている・・・。

時崎「七夏ちゃん!?」
七夏「え!? あっ・・・えっと・・・」
時崎「どおしたの!?」
七夏「なっ、なんでも・・・ないです・・・」
時崎「指輪は女の子に似合うよね!」
七夏「くすっ☆ ありがとう・・・です」

七夏ちゃんは、しばらくその指輪を眺めていた。

七夏「男の人の指輪も、あります☆」

しばらく答えを探しているようだった七夏ちゃんからの言葉。男の人の指輪か。

時崎「それって、骸骨みたいなヤツでしょ!!!」
七夏「え!? ええっと・・・その・・・」

少し、返事に困っている七夏ちゃん。これ以上からかうのは、どうかと思う。俺は今度こそ笛のラムネを七夏ちゃんに差し出す。

時崎「七夏ちゃん! どうぞ!」
七夏「あ☆ ありがとうです♪」

七夏ちゃんは、笛のラムネをそのまま食べてしまった。何故鳴らさないのか・・・。俺の目の前で鳴らすのが恥ずかしいのか、或いはそんな年ではないという事なのかも知れない。俺はせっかくなので、童心に帰って笛のラムネを鳴らしてみる。

時崎「ヒュ〜ゥ・・・ヒュ〜〜〜」
七夏「くすっ☆」

七夏ちゃんが、楽しそうに見てくれているので、俺は更に勢いづく。

時崎「ヒュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

すると、凪咲さんが少し慌てた様子で現れた。

凪咲「七夏! 居るんだったら・・・って、あら?」
七夏「どおしたの? お母さん?」
凪咲「お湯・・・沸かしてたんじゃなかったの?」
七夏「え? お湯?」
凪咲「やかんから、ヒューって音が・・・」
七夏「あっ!」
時崎「ヒュ〜ゥ・・・。これ・・・ですか?」
凪咲「まあ! 笛のラムネ!?」
時崎「す、すみませんっ!! 紛らわしいことをしてしまって!」
凪咲「いえいえ。こちらこそ、慌ててしまって・・・すみません」
七夏「くすっ☆ 私、お茶煎れますね♪」

民宿風水での、のんびりとした時
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